米Googleのめがね型ウエアラブル端末「Google Glass」に関して報じられたプロジェクト終了の噂について、同社のEric Schmidt会長は報道内容を否定したと、米Wall Street Journalが現地時間2015年3月23日に伝えた。Schmidt会長は、Wall Street Journalとのインタビューで「(Glass)はGoogleにとって重要で根本的なプラットフォームだ」と述べ、プロジェクト続行の方針を示したという。

 同社は今年1月、Google Glassプロジェクトを次世代製品研究部門「Google X」から切り離し、個別の部門に移管すると発表した。これに伴い、ベータテスター向け製品「Explorerエディション」を1500ドルで販売する早期導入プログラム「Explorer Program」を1月19日に中止した(関連記事:Google GlassプロジェクトがGoogle Xから卒業、独立した部門に)。

 この時同社は今後も一般向け製品としての市場投入を目指すと説明していた。だが、この決定は同社が消費者向けGoogle Glassをいったん諦めたことを意味するなどと、報じられた。しかしSchmidt会長はそうした報道を否定した。また同氏は、「(Glassは)自動運転車と同じく長期的なプロジェクトで、開発には時間がかかる」とも述べている。Google Glass部門は現在Tony Fadell氏の管理下に置かれているが、それは「ユーザー向けの製品を準備するため」(同氏)としている。

 報道によると、Google Glass部門はファッション業界出身のIvy Ross氏が引き続き指揮するが、この部門は、スマートホーム事業Nest LabsのTony Fadell最高経営責任者(CEO)が統括することになった。Fadell氏はかつて米AppleでiPod事業の上級バイスプレジデントを務めた人物。このことから新しいGoogle Glassは初代モデルとは異なり、Appleの製品開発戦略を手本にし、水面下で進められると、Wall Street Journalは伝えている。

 また同紙は先ごろ、Googleが新しいGoogle Glassを開発していると伝えていた。それによると、新版はこれまでのモデルよりも安価で、バッテリー駆動時間が長い。ディスプレイや音質にも改良が施されるという。