写真1●2015年3月19日に行われた「Fintech Challenge 2015」キックオフイベント
写真1●2015年3月19日に行われた「Fintech Challenge 2015」キックオフイベント
会場は、新丸の内ビルの「EGG JAPAN」(日本創生ビレッジ)
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 2015年3月19日、三菱東京UFJ銀行が主催するアイデアコンテスト「Fintech Challenge 2015」のキックオフイベントが行われた(写真1、関連記事:注目のFintechでコンテスト開催、ベンチャーとの連携が都市の競争力に)。

 イベントでは、同行IT事業部シニアアナリストの藤井達人氏が「今、金融業界には、モバイルと新規参入者の増加という2つの大きな流れがある。競争が激しくなるなか、感度が高い外部の人達と一緒に新サービスを作っていく必要性を感じている」とコンテスト開催の背景を説明した。

 今回の募集テーマは、「新しいモバイルサービス/Webプロモーション手法」「個人向けの新しい決済サービス」の2つである。既に応募受付は始まっており、6月19日には最終のイベントが開催されるが、この時点では「使い勝手が分かるモックアップが欲しい。静止画ではなく動くもので評価したい」(藤井氏)とした。今回のコンテストにあたり、APIとして残高照会、振込送金、入出金履歴紹介、カード明細履歴紹介が用意されるという。

 記念講演者として、外部からの2人が登壇した。インクルージョン・ジャパン取締役の吉沢康弘氏は「自由度が低い金融業界は、競争相手が少ないブルーオーシャンだ」とし、ライフネット生命の立ち上げに携わった経験などを元に「金融業界の人ほど、今の仕組みを変えたくて仕方がない」「仮想敵化が最大の障害になる」といった学び、さらには「具体案件で協働する」「時間とともに業界に同化することを意識する」といったアドバイスを披露した。

 三菱東京UFJ銀行とスマートフォン向けアプリの機能開発で協業しているアイリッジ代表取締役社長の小田健太郎氏は、無名の企業でも優れた技術とアイデアがあれば大銀行とも協業できるとし、今後の注目の1つとして「行動解析」があるとした。現在は、場所に応じたプッシュ通信を推進するが、今後は「何をしているか」に応じた情報を配信できるようになるというのだ。

 キックオフイベントでは、サプライズとしてルクセンブルク貿易投資事務所の協賛が発表された。4月上旬を予定している1次選考を通過した応募者から1社を選抜し、ルクセンブルクで開催されるイベント「ICT Spring Europe 2015」の無料ブース出展、現地視察ツアー招待、往復航空券(2人分)を提供するとした。