写真1●講演するサッポログループマネジメントグループ人事総務部の城戸寿弘・人事グループリーダー
写真1●講演するサッポログループマネジメントグループ人事総務部の城戸寿弘・人事グループリーダー
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 「実際の対応方法を想定すると、そんなに生易しいものではない」。日経コンピュータが2015年3月19日に開催した「民間企業のための『マイナンバー』カンファレンス」の特別講演で、サッポログループマネジメントグループ人事総務部の城戸寿弘・人事グループリーダーはこう強調した。(写真1)。

 サッポログループは2015年2月に部門横断のマイナンバー対応プロジェクトが発足した。グループはサッポロビールなど五つの事業会社を抱え、約70社の子会社がある。グループ全体で従業員数は約1万3000人。扶養家族や個人取引先を加えると、マイナンバーの収集や管理をしなければらない対象人数は、これをさらに上回る。

 グループには外食の「サッポロライオン」や「カフェ・ド・クリエ」などがあり、パートやアルバイトが多く在籍していて、入退社の頻度も多い。各社の規模や雇用形態が異なる点を踏まえた対応が必要という。

 サッポログループマネジメントは、グループ共通の人事総務や経理、IT統括の業務を集約して、マイナンバー制度の導入も担っている。城戸氏が所属する人事グループでは、サッポログループの人事労務関係の業務集約を進めている。また、2014年からワークスアプリケーションズの人事給与システムCOMPANYを順次導入中で、人事給与や勤怠、身上異動管理を行っている。

 マイナンバー対応プロジェクトでは、外部専門家やサービサーを活用して、プロジェクト全般のアドバイザーのほか、システム関係ではワークスアプリケーションズの支援を受けて作業の効率化や負担軽減を図る方針という。

 2015年末までの準備期間に、「個人番号の取得・運用フローの確立」「システム整備(個人番号管理、帳票フォーマット)」「関連規程整備」「教育・研修(実務担当者・従業員)」の4つに取り組んでいる。城戸氏は「同時並行で複数課題に取り組む体制が必要と認識している」と述べた。

 そこでプロジェクトでは、サッポログループマネジメントへの業務集約の有無と、グループ共通の人事給与システムCOMPANYの導入状況に応じて、グループ各社を3つに分けた。「企業経営へのインパクトが大きく、制度対応に多大な労力が必要な一方で、施行までの期間が短い。グループ各社に合わせた対応が必要だ」と城戸氏は狙いを語った。