写真●楽天 常務執行役員の相木孝仁氏(左)と米オーバードライブのスティーブ・ポタッシュCEO(右)
写真●楽天 常務執行役員の相木孝仁氏(左)と米オーバードライブのスティーブ・ポタッシュCEO(右)
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 楽天は2015年3月19日、図書館向け電子書籍配信サービス「OverDrive」を運営する米オーバードライブを買収すると発表した(写真)。教育分野で大きな顧客基盤を持つOverDriveに、楽天の子会社、カナダRakuten Koboの電子書籍サービスを連携させて強化し、教育関連ビジネスに参入する。これによりグローバル市場で電子書籍ビジネスを拡大し、10年以内に売上高10億ドル規模の事業に成長させる。

 オーバードライブは、図書館や教育機関といった3万以上の施設に電子書籍配信サービスを展開。図書館や教育機関に登録した貸し出しIDを使い、PC、スマートフォン、タブレットで、電子書籍やオーディオブックなどを閲覧・再生できるサービスを行う。北米を中心に約50カ国、約5000社の出版社が提供する250万件以上のタイトルを取り扱う。

 オーバードライブの利用者は北米を中心に約2100万人。スティーブ・ポタッシュCEO(最高経営責任者)は「幼稚園から大学までの主要な教育機関を顧客に持つ」と話す。Rakuten Koboの電子書籍サービスの利用者は約2300万人。オーバードライブの買収により、総ユーザー数は約4400万人となり、「顧客基盤が倍増する」(楽天 常務執行役員の相木孝仁氏)。

 楽天はオーバードライブの発行済み株式を約4.1億ドルで取得し、完全子会社化する。買収完了は2015年4月の予定。