米Microsoftは現地時間2015年3月17日、次期OS「Windows 10」を今夏に世界でリリースすると発表した。111言語をサポートし、190カ国を対象とする。また、中国を中心とするWindows普及促進の取り組みについても説明した。数億人の中国ユーザーへのリーチを目指すとしている。

 Microsoftは中国でのユーザー拡大に向け、中国の大手パソコンメーカーLenovo(聯想集団)、大手インターネットサービスTencent Holdings(騰訊控股)、大手セキュリティ企業Qihu 360(奇虎360)と提携を結んだ。

 提携のもと、Lenovoは国内2500カ所のサービスセンターと一部販売店でWindows 10アップグレードサービスを実施し、TencentとQihu 360は顧客に無償のWindows 10アップグレードを提供する。またLenovoはWindows搭載スマートフォンを開発し、2015年半ばに中国China Mobile(中国移動)を通じて発売する。

 Microsoftは中国スマートフォンメーカーのXiaomi(小米科技)とも提携。Xiaomiは、Windows 10テクニカルプレビュー版をダウンロードできるテストプログラムに、同社のスマートフォン「Mi 4」の一部パワーユーザーを招待する。

 Windows 10は、リリース後1年間、「Windows 7」「Windows 8.1」「Windows Phone 8.1」ユーザーに対して無償でアップデートが提供される(関連記事:「Windows 10」へのアップグレードは1年間無償、Windows 7以降から)。複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Financial Timesなど)によると、中国では正規のライセンスを取得していないWindowsユーザーに対しても正規のWindows 10アップグレードを無償提供することを、今回Microsoftは明らかにした。中国では80%のパソコンが違法Windowsを搭載しているとされている。海賊版も含めてWindowsユーザーを囲い込み、最終的にアプリケーションやサービス、コンテンツの利用拡大につなげる狙いと見られる。

 またMicrosoftは、Windows 10の正式公開と同時に、小型IoT(モノのインターネット)デバイス向けのWindowsを無償リリースすることも発表した。

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