Data is the new oil(データは新しい石油だ)――。ブレインパッドの草野隆史代表取締役社長は、2015年3月17日に開催された「データサイエンティスト・ジャパン2015」の講演の冒頭、この言葉を大きくスクリーンに映し出した(写真)。
翌日の3月18日で、ちょうど創業11年となる同社は、古くからデータサイエンスに取り組んできた。そこでの経験をもとに、「全員分析経営」に向けて押さえるべきトレンドと背景、業務改革の事例、注目の技術動向、成果を出すためのマネジメントを披露した。
草野氏は、企業がデータ分析を経営に生かすレベルを(1)構造分析(現状分析)、(2)予測分析、(3)最適化分析――の3つに分類。データ分析に成功している企業が現在、(2)の段階にあるという。
さらに、「現在はデータ分析の環境が激変している最中にあり、環境の変化に合わせてデータ分析も進化する必要がある」と指摘する。消費者にいつでもリーチできるスマートフォンが普及した結果、「従来は住み分けていたネットとリアルが一体化し、両者の境界がない市場が誕生した」ためだと説明する。
この変化の結果、社内の情報に限定されていた分析対象がビッグデータへと変わり、分析手法も構造分析や予測にとどまらず、最適化や機械学習、高精度予測などが求められるようになるという。
草野氏は、同社が手がけたデータ分析事例とその成功要因を紹介したうえで、データ分析を成功に導くためのマネジメントの在り方を解説。具体的には、成功要因として(1)施策志向のデータ分析方針、(2)適切な技術の選択、(3)データ分析人材の獲得と推進体制、(4)分析データの獲得・蓄積の4つがあるとして、それぞれの詳細を説明した。