写真●セールスフォース・ドットコムの川原均取締役社長(写真:井上 裕康)
写真●セールスフォース・ドットコムの川原均取締役社長(写真:井上 裕康)
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 セールスフォース・ドットコムの川原均取締役社長兼COO(最高執行責任者)は、2015年3月13日、「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security/IoT Japan」で講演した(写真)。テーマは「すべてのヒト、モノ、コトがつながる時代のイノベーション」。

 「何十億ものスマートフォンと何百億ものセンサーが普及した現在、様々なモノがインターネットにつながるのは当たり前になった。重要なのはサービスの創出につなげること」。IoT(Internet of Things)との言葉が広く知れ渡るようになった現状について、川原氏は講演の冒頭でこう指摘。IoTを使ったサービスで顧客に価値を提供することを“IoC(Internet of Customers)”と表現した。

 川原氏はIoCを実現している企業として、まず医学研究用の試薬を販売する英ニュー・イングランド・バイオラボと、米国カリフォルニア州にある病院のUCSF医療センターを紹介した。いずれも、セールスフォース・ドットコムのプラットフォームを採用している。

 ニュー・イングランド・バイオラボは、顧客の研究室が試薬を保存する冷蔵庫にセンサーを取り付けている。試薬の数などを計測してニュー・イングランド・バイオラボが収集、そのデータを補充品の販売に生かしている。UCSF医療センターはiPadや時計型のウエアラブル端末を利用して、業務の最適化を図っている。iPadには問診用アプリが入っており、来院した患者が診察前に入力する。ウエアラブル端末は、入院患者の健康状態を可視化するために導入した。