エフセキュアは2015年3月12日、コマンドライン型で利用できるLinux向けのウイルス対策ソフト「エフセキュアLinuxセキュリティコマンドラインエディションVer10.20」について、サポートOSを増やしたと発表した。ユーザーからの問い合わせが多かったRedHat Enterprise Linux 7とCentOS 7の二つのOSについて動作検証を実施し、問題なく動作することを確認したという。

 コマンドとして実装してあるため、シェルスクリプトや外部プログラムなどから利用しやすい。実行結果(ウイルス/マルウエアの検査結果)をプログラムの返り値として取得できるので、シェルスクリプトなどにおいて検査結果に応じて処理を切り替える運用が容易にできる。

 使い方は、コマンドラインで実行するプログラムを、手動またはスケジュールバッチで起動するというもの。検査対象のディレクトリやファイルを指定して使う。ウイルス/マルウエアの疑いのあるファイルを、パターンファイルを使って静的に解析する。パターンファイルはインターネットからHTTPでダウンロードして更新する。常駐プロセスではないため、ファイルI/Oが発生する度にリアルタイムに監視/検知する用途には使えない。

 今回、2014年12月5日に出荷した現行版「Ver10.20」について、動作を保証するOSを拡大した。具体的には、ユーザーからの問い合わせが多かったRedHat Enterprise Linux 7とCentOS 7を新規に動作保証OSに追加した。これにより、動作を保証するOSは、RedHat Enterprise Linux 5/6/7、Cent OS 5/6/7、SUSE Linux Enterprise Server 11、Debian 6/7、Ubuntu 10.04/12.04になった。

上位版ではWeb UIやリアルタイム検査機能も付く

 コマンドラインエディションには、上位ソフトの「フルエディション」もある。フルエディションでは、コマンドラインプログラムに加えてWebインタフェースを備えるほか、ファイルI/Oを監視してリアルタイムにウイルス/マルウエアを検査する使い方ができる。さらに、ファイルの改ざんを検知する機能を備えている。ベースライン(ハッシュ値、タイムスタンプ、パーミッションなど)との差分を検出する仕組みである。ファイアウォール(iptables)の設定もWeb画面から可能である。

 フルエディションについても、2015年第2四半期(4月から6月)に出荷する新バージョンにおいて、RedHat Enterprise Linux 7とCentOS 7を動作対象OSに追加する予定である。フルエディションはコマンドラインエディションとは異なり、動作検証だけでなくバージョンアップが必要になる。

 価格(税別)は、以下の通り。コマンドラインエディションは、最小導入規模となる1~24台の場合に1台当たり初年度新規4万円、次年度以降の更新費用が年額2万円。最大導入規模となる1000~2499台の場合に新規8000円、次年度以降4000円。フルエディションの価格は、コマンドラインエディションのちょど2倍となる。