写真●講演するワークスアプリケーションズの牧野正幸最高経営責任者(写真:井上 裕康)
写真●講演するワークスアプリケーションズの牧野正幸最高経営責任者(写真:井上 裕康)
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 ワークスアプリケーションズの牧野正幸最高経営責任者(CEO)は2015年3月12日、都内で開催中の「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security/IoT Japan」で講演した。牧野CEOは「(企業内システムの中核技術である)リレーショナルデータベース(RDB)を捨てることは可能だ」と話した。

 講演の冒頭で、「(企業内システムは)ここから大幅なイノベーションが起こることは間違いない」と牧野CEOは語った(写真)。消費者向けのITサービスを手掛けるグーグルやアマゾン・ドット・コムといった米企業では当たり前の「分散処理技術」が、旧来型の企業内システムにも浸透し始めるという考えを示した。

 現在、企業内システムで一般的なRDBでは、「どうしても(応答速度で)秒の壁を越えられない」(牧野CEO)と指摘。データを正しい状態に保つために、リアルタイムに同期をとり続けないといけないためだ。分散処理技術を採用すれば、こうした制約から解放され、「最高速度を追求できる」と牧野CEOは力を込めた。

 ワークスアプリケーションズは2015年春に、クラウド型ERP(統合基幹業務システム)である「HUE(ヒュー)」の販売を開始する予定だ。HUEは分散処理技術とクラウドを採用し、膨大なデータを素早く処理できる点を売りにする。HUEに限らず、今後はRDBしか選択肢が無いという状況ではなくなるという。

 牧野CEOは最後に「(日本企業もこうした先端技術を導入しないと)世界からずいぶんと遅れてしまう」と警鐘を鳴らし、講演を締めくくった。