BS日本(BS日テレ)は2015年3月11日に社長会見を開催した。代表取締役社長の赤座弘一氏は、2014年度業績および2015年度業績見通しや、BS日テレの開局15周年の取り組みについて述べた。

 2014年度の業績については、「第3四半期までは微増収減益で来ている。通期も微増収減益で着地する見込み」と述べた。減益の理由としては、日テレからの番組調達費の増加などを挙げた。2015年度の業績に関しては、「増収は堅いが増益は難しい」とした。BS放送業界全体の市場環境については、「これまでは右肩上がりだったが、2014年ぐらいから踊り場に差し掛かっている。今後は減収となるBS放送局も出てくるのではないか」という考え方を示した。

 BS日テレの開局15周年を受けての取り組みについても説明した。取り組みの一つが、企業ステートメントの策定である。今後、企業ステートメントとして、「もっと、BSになる。あたらしいテレビになる。」を掲げる。日本中に番組を届けることができる特徴を意識しつつ、BSだからこそできる番組作りをさらに追求していく。

 さらに、BS日テレのイメージソングを展開する。BS日テレの放送番組に出演中の谷村新司氏に作詞・作曲を依頼し、快諾を得たという。2015年後半ころからPRスポットなどでの幅広い展開を予定する。このほかに放送番組を基にした独自イベントの展開やプレゼントキャンペーンの実施も行う。

 開局15周年の取り組みの一つとして、4K特別番組を制作することも発表した。「放送はダウンコンバートして2Kで提供するが、要望があれば4K対応VODサービスを手がける事業者などに販売し、そこで4Kで見られるようにするということもあるかもしれない」とした。

 4K放送については、総務省の「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」が2014年8月にまとめた中間報告において、衛星セーフティネット終了後のBSの空き周波数帯域を使って2016年に試験放送を開始するとされている。BSなどでの4K・8Kの実用放送については、「2018年までに可能な限り早期に開始」となっている。これらのロードマップに基づく4K・8Kの実用放送開始に向けた取り組みについては、「4K放送に向けたオールジャパンの取り組みには全面的に協力するというのが日テレグループの基本スタンス。BS日テレもそのスタンスで臨む」「オールジャパン体制で4K化に向けた取り組みを進めることができるかは、民放に加えてNHKも参加するかが一つのポイントになる」と述べた。

 このほかにBS日テレとして初の新卒採用を行うと報告した。2016年新卒が対象で既に募集を開始している。「今後は新卒採用を定期的に行っていきたい」と意欲を示した。