独Infineon Technologies社は、「MWC(Mobile World Congress) 2015」(スペイン・バルセロナで3月2日~6日に開催)で、セキュアーエレメントICの新製品「SLI 97 / SLM 97 / SLE 97」を発表した(ニュースリリース1ニュースリリース2)。それぞれ、車載向け、M2M向け、スマートフォンなどの携帯機器向け製品である。

Stefan Hofschen氏
Stefan Hofschen氏
MWC 2015で日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 同社のブースで話を聞いたStefan Hofschen氏(Division President, Chip Card & Security)によれば、新製品は、SLI 76 / SLM 76 / SLE 76の上位製品にあたる。既存製品からの主な改善点は2つ。CPUコアの処理能力を向上させたこと、不揮発性メモリーの容量を増やしたことである。

 新製品のCPUコアは、32ビットの「ARM SecurCore SC300」。既存製品は16ビットのCPUコアだったという。フラッシュメモリーはInfineonの「SOLID FLASH」技術をベースにしており、SLI 97とSLM 97は最大1Mバイト、SLE 97は最大1.5Mバイトを搭載する。

 SLI 97 / SLM 97 / SLE 97は基本的に同じ機能(暗号化など)を提供し、それぞれの用途によって、仕様環境やテスト規格が異なるという。例えば、SLI 97とSLM 97の使用温度範囲は-40~+105°Cと広い。そしてSLI 97は車載ICの品質規格「AEC Q100」に準拠する。また、Infineonは、SLE 97が韓国Samsung Electronics社の最新スマホ「Galaxy S6/S6 edge」に採用されたことを発表した(ニュースリリース3)。