スペイン・バルセロナで2015年3月2日から5日まで開催された「Mobile World Congress 2015」でスウェーデン・エリクソンは、レールマウント型の新たな基地局製品や、米インテルが提唱する「ラック・スケールアーキテクチャー(RSA)」を採用した「Hyper Scale Cloud」サーバー製品などを展示した。

写真1●レールマウント型の基地局製品「Radio Dot System」
写真1●レールマウント型の基地局製品「Radio Dot System」
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 レールマウント型の新たな基地局製品である「Radio Dot System」は、レールに基地局製品をひっかけるようにぶら下げ、ボルトを1本占めるだけで置局が完了する(写真1)。RRU(Remote Radio Unit)は従来製品の50%のサイズと重さであり、片手でもなんとか持ち運べる。

 今後、MIMO(Multiple Input Multiple Output)構成が2×2、4×4、8×8と増えていった場合も、RRUをレールに追加でスタックしていくことで対応可能となる。このほかアンテナの近くにRRUを設置するような柔軟な構成も可能だ(写真2)。

写真2●アンテナ付近にユニットを設置するような柔軟な構成も可能になる
写真2●アンテナ付近にユニットを設置するような柔軟な構成も可能になる
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 「Hyper Scale Cloud」は、RSAベースのハードウエア「Ericsson HDS 8000」(写真3写真4)やストレージ製品「Ericsson Secure Cloud Storage」、プラットフォーム機能となる「Ericsson Continuum」で構成する。

写真3●米インテルが提唱するRSAを採用した「Ericsson HDS 8000」
写真3●米インテルが提唱するRSAを採用した「Ericsson HDS 8000」
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写真4●このラックで2万5000台のサーバーを集約できるという
写真4●このラックで2万5000台のサーバーを集約できるという
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 インテルが提唱するRSAは、サーバー、ストレージ、ネットワークのハードをラック単位で集約するモジュール構造のサーバーアーキテクチャーであり、モジュール間は光回線で相互接続する。従来の汎用サーバーによるデータセンターシステムよりも集約率を高められるほか、いわゆるSoftware-Defined Infrastructure(SDI)による運用の効率化ももたらす。

 エリクソンはHyper Scale Cloudを、通信事業者向けに販売していく。NFV(Network Functions Virtualization)の基盤としての利用を想定するほか、通信事業者に対しクラウドサービスのプラットフォームとしての利用も促す。なおエリクソン自身が所有するデータセンターでも、このHyper Scale Cloudを導入していくという。

■変更履歴
記事公開時、「Hyper Scale Cloud」の表記が正しくありませんでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2015/03/11 19:20]