米Appleが以前より噂されている12型の「iPad」(通称「iPad Pro」)の生産を延期したと、米Bloomobergが現地時間2015年3月5日に報じた。

 Bloomobergが関係者から得た情報によると、Appleは2015年第1四半期にiPad Proの生産を開始する計画だったが、ディスプレイパネルの供給に遅れが生じたため、9月頃に延ばしたという。

 iPadは現在7.9インチと9.7インチモデルがあり、Apple自身はさらに大きいサイズの開発について公言していない。しかし、ビジネスユーザーを取り込んで、停滞するiPadを回復させたいTim Cook最高経営責任者(CEO)の取り組みのもと、同社は12.9インチディスプレイを搭載したiPadを投入すると見られている。

 当初は昨年12月にiPad Proの量産を開始するとの情報もあったが、「iPhone 6」シリーズの生産を優先するため2015年初めに先送りされたと、昨年10月に報じられていた(関連記事:大型iPadの生産に遅れか、iPhone 6の生産に追われ対応できない状態)。

 米Wall Street Journalによると、12.9インチiPadは、「USB 3.0」の採用が検討されている。そのほか同期の高速化や充電時間の短縮化、キーボードやマウス用ポートの搭載といった情報もあるが、最終的なデザインについては不明という。

 米Strategy AnalyticsのアナリストであるPeter King氏はiPad Proについて、「今後数年間にわたってタブレット端末市場の成長の大半を担うとされる企業市場にAppleが割り込む有望な原動力になる」との見方を示している。

 Appleの2015会計年度第1四半期(2014年10~12月)におけるiPadの販売台数は2142万台で前年同期と比べ18%減少、売上高は89億8500万ドルで同22%落ち込んだ(関連記事:Appleの10~12月期決算は大幅な増収増益、iPhone販売が過去最高)。