写真●NEXSAN ASSUREON 8の外観(写真は大容量向けにSANストレージのE48Vをセットにした構成)
写真●NEXSAN ASSUREON 8の外観(写真は大容量向けにSANストレージのE48Vをセットにした構成)
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 イメーションは2015年3月3日、重要なファイルを安全に保管する用途に特化したアーカイブ専用ストレージの新機種「NEXSAN ASSUREON 8」(写真)を4月1日に発売すると発表した。ファイルが壊れていないことの定期的なチェックや壊れたファイルの自動修復といった機能を備える。金融機関の契約書類や工場の商品検査データ、コールセンターの通話記録など、高価値なデータの保管に適する。

 ASSUREONは、アーカイブ用途に特化したストレージ機器である。普段利用しているプライマリー(1次)ストレージなどのフロントエンドストレージからはNAS(CIFS)としてアクセスする。アーカイブ用途のため、一度書き込んだファイルを消したり書き換えたりせずに追記するWORM(ライトワンスリードメニー)方式を採用している(WORM以外の設定も可能)。また、データを保全するため、AESで暗号化して保管する。

ファイルの完全性をハッシュで定期的に検査/自動修復

 ハードウエア障害などが起こってもファイルデータを安全に保管し続けられるようにする機能は、大きく二つある。機能の一つは、格納するファイルのひとつ一つにユニークなシリアル番号を付与して管理する機能である。全てのファイルがASSUREON上に存在していることを90日おきに確認し、欠落しているファイルがあれば報告する。

 機能の二つめは、ファイルのフィンガープリント(MD5とSHA1のそれぞれのハッシュ値とファイルサイズ情報)を生成してファイル内容が壊れていないかを確認できるようにする機能である。90日おきにASSUREON上のファイルのフィンガープリントを再生成し、オリジナルのフィンガープリントと比較して確認する。ファイルが壊れていた場合は、あらかじめ2重化して保管してあるコピーを利用して自動で修復する。

フロントエンドからはCIFSでアクセス

 フロントエンドストレージからASSUREONへはNAS(CIFS)でアクセスするが、アクセス方法は大きく二つある。アクセス方法の一つは、プライマリーストレージとなるWindows Serverに専用ソフトをインストールする使い方である。このソフトは、プライマリーストレージ上に新規ファイルが生成されると、これをASSUREONにコピーする。90日間アクセスがないファイルについては、プライマリーストレージ上にショートカットを作成し、ASSUREON上だけにファイルの実態があるようにする。ショートカットに対してアクセスがあった場合には、設定次第だがショートカットをファイルで置き換える。

 アクセス方法の二つめは、ASSUREONが用意しているフロントエンドNAS(CIFS/NFS)ストレージの「Edge」を使うというもの。Edgeは、ストレージベンダー製のNASストレージをプライマリーストレージとして利用しているケースに適する。プライマリーストレージからEdge上にファイルを生成すると、EdgeからASSUREONにファイルをコピーする形になる。EdgeはWindows Server用の専用ソフトと同じ機能を備えており、90日間アクセスがないファイルについては、Edge上にショートカットを作成する。

 価格はオープンだが、参考価格(米ドル)は、容量120Tバイトの冗長化構成(レプリケーション構成)で33万ドル。1次販売代理店は、エヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)、伊藤忠ケーブルシステム、ベル・データの3社。販売目標は、初年度1億円、3年後5億円。

 なお、製品ブランドのNEXSANは、米Imationが買収した米Nexsan Technologiesのストレージ製品群である(関連記事:イメーション、買収した米Nexsanのミッドレンジストレージを7月に事業展開)。大きく、(a)「E-Series」(4Uに60ドライブを搭載する高密度型のSANストレージ)、(b)「NSTシリーズ」(SAN/NAS統合ストレージ)、(c)「ASSUREON」(アーカイブストレージ)をラインアップしている。