フィンランド ノキアのネットワーク事業部門であるノキアネットワークスは、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2015」で、無線アクセス部分のクラウド化を進めるユニークなアーキテクチャー「Nokia Radio Cloud」を展示している(写真1)。

写真1●無線アクセスのクラウド化を進める「Nokia Radio Cloud」
写真1●無線アクセスのクラウド化を進める「Nokia Radio Cloud」
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 Nokia Radio Cloudとは、コアネットワークをNFV(Network functions Virtualization)でクラウド化するように、無線アクセスも部分的に汎用サーバー上でクラウド化するもの。基地局のアンテナ部分である「RRH」(Remote Radio Head)とベースバンド部分である「BBU」(Base Band Unit)に分離するC-RAN構成を前提に、BBUを集中化して汎用サーバー上でクラウド的に扱う。

 ここまでは従来も見られたいわゆる「ベースバンドプーリング」のアプローチだが、ノキアは今回、RRHをさらにレイヤー分離。レイヤー2以上の機能を汎用サーバー上で集中化し、基地局機能をさらにクラウド化するアーキテクチャーを提案した。それに伴って、通常ならRRHとBBU間には光ケーブルを使ったCPRI(Common Public Radio Interface)というインタフェースを利用するところだが、今回のアーキテクチャーでは通常のイーサネットケーブルを使っている(写真2)。

写真2●Nokia Radio Cloudのアーキテクチャー
写真2●Nokia Radio Cloudのアーキテクチャー
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