合計で4名がプレゼンテーションを行った 日経テクノロジーオンラインが撮影。
合計で4名がプレゼンテーションを行った 日経テクノロジーオンラインが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]
スマホのメーカー別出荷台数 STMicroが見せたスライド。
スマホのメーカー別出荷台数 STMicroが見せたスライド。
[画像のクリックで拡大表示]
中国事業の概要 STMicroが見せたスライド。
中国事業の概要 STMicroが見せたスライド。
[画像のクリックで拡大表示]
ウエアラブル機器でも中国や台湾に多数の顧客 STMicroが見せたスライド。
ウエアラブル機器でも中国や台湾に多数の顧客 STMicroが見せたスライド。
[画像のクリックで拡大表示]

 伊仏合弁STMicroelectronics社は、「MWC(Mobile World Congress) 2015」(スペイン・バルセロナで3月2日~5日に開催)でメディア/アナリスト向け説明会を開催した。同社の業績や戦略について語った。

 同社の2014年通年の売上高は74億400万米ドルで、前年比8.4%減だった。ただし、営業損益、純損益ともに赤字から黒字に転換した。2013年は4億6500万ドルの営業損損失、5億米ドルの純損失だったが、2014年は1億6800万米ドルの営業利益、1億2800万米ドルの純利益となり、著しく回復した。

 発表では、売上が好調だった製品として、汎用の32ビットマイコン「STM32」を挙げた。前年比で50%伸びたという。センサーハブでの採用が功を奏したとする。また、同社が世界No.1をうたうMEMSでは、マイクとタッチセンシング製品が好調だったという。中国企業12社の60を超える機種に採用されたとする。

 今回の説明会では、中国事業への積極的な取り組みが目を引いた。同社が見せた調査会社のデータでは、スマートフォン市場での勢力分布が大きく変わっていた。2013年は中国とその他の国や地域のスマホメーカーは37%だったが、2014年はそれが52%に達した。こうした中国スマホメーカーの台頭を意識して、STMicroは中国事業の強さをアピールしていた。

 中国における同社の売上高は24億米ドル、総売り上げの約32%にあたる。営業拠点は10カ所あり、後工程の工場が1つある。R&Dや設計拠点も設けている。中国における従業員は5700名を上回るとした。また、成長著しいウエアラブル機器の市場では、中国や台湾の50社以上の機器メーカーから受注していることも説明した。

 説明会の後半では、MEMSとMCUに関して2014年に発売された新製品を中心に説明があった。STMicro側からの説明後に、メディア/アナリスト側からの質問があった。多くはMEMSに関するものだったが、お約束の「オランダNXP Semiconductor社が米Freescale Semiconductor社を買収したことをどう思うか」(日経テクノロジーオンラン関連記事)という質問が出た。

 「大勢に影響はない。1+1が2以上になる合併ある一方で、1+1が2に達しないケースも少なくない。今回はどうなるか?」といった内容の回答がSTMicro側からあった。