日本ヒューレット・パッカード(HP)は2015年3月4日、ワークステーション事業に関する説明会を開催した。世界市場と国内市場でいずれもシェア1位を維持するという好調なビジネス状況を説明。ワークステーションの仮想化向け製品など、国内未発表の新製品も披露した。

 説明会では、米国および日本のそれぞれの担当者が壇上に立った(写真1、写真2)。来日中の、米HP プリンティング&パーソナルシステムズグループ コマーシャル・ソリューションズビジネス ワールドワイド・プロダクトマネジメントのディレクターを務めるジョシュ・ピーターソン氏は、同社のワークステーションが、デスクトップ向けとモバイル向けの両方で世界シェア首位にあるとの調査結果を紹介した。製造業や映画制作、金融、教育、医療、石油採掘など幅広い業界で採用されているという。

写真1●米HPでワークステーションの製品マーケティングを担当する、ジョシュ・ピーターソン氏
写真1●米HPでワークステーションの製品マーケティングを担当する、ジョシュ・ピーターソン氏
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写真2●日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステムズ事業本部 ソリューション製品本部の小島順本部長
写真2●日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステムズ事業本部 ソリューション製品本部の小島順本部長
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 ピーターソン氏は、こうした実績を支えるのが「核となる3つの原則」であると話す。「パフォーマンス」「革新性」「信頼性」の3つで、これらをうまく成立させることで顧客の支持を得られるとした。例えば革新性については「顧客と直に接し、彼らが直面している課題に触れることで生まれる」(ピーターソン氏)。今回の来日でも多くの顧客に会い、直接話を聞いているという。

 米国で発表済みの新製品も披露した。その一つが、ワークステーションを仮想化するための「HP DL380z Gen9」(写真3、写真4)。高性能なサーバー上でデータを処理し、端末にはピクセルデータだけを送信する。こうしたワークステーションの仮想化はセキュリティの確保やIT管理の効率化といった観点から注目が集まっており、現在の技術トレンドの一つになっているという。同社でも「米国ではさまざまな分野で、コンセプト実証を行っている」(ピーターソン氏)。

写真3●HP DL380z Gen9の内部。1台で最大16ユーザーまで同時利用できるという
写真3●HP DL380z Gen9の内部。1台で最大16ユーザーまで同時利用できるという
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写真4●1台のHP DL380z Gen9を、4台の端末から利用しているところ
写真4●1台のHP DL380z Gen9を、4台の端末から利用しているところ
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 このほか、薄型軽量のモバイル向けワークステーションや、4K/5Kの高解像度ディスプレイ、34インチの曲面ディスプレイ、3Dの立体視が可能なディスプレイなども紹介した(写真5~写真7)。いずれも国内での発売は未定。今後、国内市場に適した製品を販売していく計画という。

写真5●薄型軽量の「HP ZBook 15u G2」
写真5●薄型軽量の「HP ZBook 15u G2」
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写真6●4K対応のディスプレイ「HP Z27S」
写真6●4K対応のディスプレイ「HP Z27S」
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写真7●専用の眼鏡を用いて3Dの立体映像が見られる「HP Zvr」
写真7●専用の眼鏡を用いて3Dの立体映像が見られる「HP Zvr」
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 説明会の後半には、日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステムズ事業本部 ソリューション製品本部の小島順本部長が登壇。国内では7年連続でシェア1位を獲得していること、製造業以外に土木や医療など幅広い業界で採用されていることなどを説明した。ただし、工場用/医療用機器の制御などの分野では相対的にシェアを獲得できておらず、「まだまだ伸ばせる分野はある。(製造業などではない)他の分野でワークステーションのユーザーを広げていく」(小島氏)とした。