写真●2015年4月に日本市場で発売する「Blade S6」を紹介するZTEアジア独立国家共同体(CIS)地域CEO(最高経営責任者)の張樹民氏
写真●2015年4月に日本市場で発売する「Blade S6」を紹介するZTEアジア独立国家共同体(CIS)地域CEO(最高経営責任者)の張樹民氏
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 中国ZTEは2015年3月3日、スペイン・バルセロナで開催中のモバイルカンファレンス「Mobile Wireless Congress 2015」で、スマートフォンの新機種「Blade S6」を2015年4月に発売することを明らかにした。同社アジア独立国家共同体(CIS)地域CEO(最高経営責任者)の張樹民氏が取材の中で語った(写真)。

 Blade S6の画面サイズは5インチで解像度は720×1280ドット。8コア構成のプロセッサを搭載し、1300万画素のカメラを内蔵する。本体の重さは134g。加速度センサーを使った端末動作(ジェスチャー)で通話やマナーモードへの切り替え、カメラの起動など様々な機能を呼び出せる。ジェスチャーは10種類用意しており、ユーザー自身で起動したいアプリを設定可能だ。

 日本ではキャリア経由での提供とSIMロックフリー端末としての販売を予定する。ZTEは2014年9月にSIMロックフリー端末「Blade Vec 4G」を日本で発売した。張氏は「日本市場は世界のショーケース。従来のキャリア向けに卸すBtoBビジネスに加えて、直接消費者に販売するBtoCビジネスにも力を入れていく」とし、今後、Blade S6を皮切りに複数機種を日本市場で販売していく意気込みを語った。

中国小米(シャオミー)を強く意識

 ZTEの張氏は取材の中で、「2011年、2012年の国際特許出願件数は世界でトップ。2013年はパナソニックに次いで2位だった。LTE関連の特許は世界で13%を押さえている」と知的財産を重視していると主張。ZTE関係者は「一部の中国企業はインドで特許を侵害し、発売停止に追い込まれた。我々は知的財産を尊重し、重視する」と中国小米(シャオミー)を意識する姿勢を示した。

 端末の価格戦略でもシャオミーを牽制。「ZTEはミドルクラスからハイエンド機種を充実させ、ローエンドモデルを絞っている。中国では数だけ大量に出しているが、利益率が著しく低い企業がある。100台売ってもiPhone1台分の利益にも達しない」(ZTEの張氏)。ZTEはあくまでも別路線で市場を開拓するとの姿勢を見せた。

 ZTEは世界19カ所に開発拠点を構えており、グローバルで人材強化を進めているという。張氏は「カナダに拠点を置くブラックベリー(BlackBerry)のセキュリティチームのほぼ全員がZTEに入社した」ことも明らかにした。

 ZTEがこうした技術や人材への積極投資を訴求するのは、中国企業の製品に対して根強く残る、安かろう悪かろうといったイメージの払拭が念頭にありそうだ。「我々は日本市場を必死に理解しようとしている。今の中国もぜひ理解していただきたい」(張氏)。

 ZTEは新しい端末の投入などで2015年内に中国を除くアジアパシフィックエリアのシェアを現行の1.8%から3%まで拡大したいとしている。