写真1●日本ヒューレット・パッカードの宮本義敬氏(HPサーバー事業統括本部 アライアンス&ビジネス開発本部 本部長)
写真1●日本ヒューレット・パッカードの宮本義敬氏(HPサーバー事業統括本部 アライアンス&ビジネス開発本部 本部長)
写真2●HPの統合型インフラへの取り組み
写真2●HPの統合型インフラへの取り組み

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2015年3月3日、仮想化環境向け垂直統合型インフラ製品のラインナップを拡充した。100VM(仮想マシン)以上の中規模仮想化インフラ向けとして、HPのストレージソフトウエア製品などをメインに採用する「HP ConvergedSystem 200-HC StoreVirtual System」、およびVMwareのストレージソフトウエア製品などをメインに採用する「HP ConvergedSystem 200-HC EVO: RAIL」の2製品を、1000VM超の大規模向けに「HP ConvergedSystem 700 for Virtualization」の更新版を販売する。

 今回販売を開始した製品は、サーバー仮想化環境の構築に必要なハードウエア(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)とソフトウエア(仮想化ソフトウエア、システム管理ソフトウエアなど)をセットにして構築・検証した製品。ユーザーへの導入時には構築作業や事前のサイジングが不要になっている。設置や結線のあと、セットアップツールを起動して、約15分でサーバー仮想化環境の利用を開始できる。

 日本HPの宮本義敬氏(HPサーバー事業統括本部 アライアンス&ビジネス開発本部 本部長)は発表に際して「当社は2009年にHP BladeSystem Matrixという最初の統合型システムインフラ製品を提供。さらに2014年にはお客様のワークロードにフォーカスしたHP ConvergedSystemを投入している。サーバー、ストレージ、ネットワークを1ベンダーで提供できるHPの強みが生かされている分野である」と述べた(写真1、2)。

 HP ConvergedSystem 200-HCの2製品はHPとしては初めて、外部ネットワークストレージを利用せず、複数台のサーバーの内蔵ディスクを仮想的に共有する「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー」になっている。HP ConvergedSystem 200-HC StoreVirtual Systemは、HPのサーバーマシン、VMware vSphere(8CPU)、仮想アプライアンス型のストレージであるHP StoreVirtual(8CPU)、HP OneView for vCenterなどを組み合わせている。HP ConvergedSystem 200-HC EVO: RAILは、HPのサーバーマシン、VMware vSphere(8CPU)、VMware Virtual SAN(8CPU)、VMware vRealize Log Insightなどを組み合わせている。

 またHP ConvergedSystem 700 for Virtualizationは、HPの最新のサーバー製品であるGen9サーバーおよび同社の管理ツールの新版HP OneView 1.2に対応したほか、拡張性を向上させたという。以前の世代の「HP ConvergedSystem 700 for Virtualization」と「HP ConvergedSystem 700x for Virtualization」を単一製品に統合した。

 価格は、HP ConvergedSystem 200-HC StoreVirtual Systemが1788万7000円から、同EVO: RAILが3577万円から、大規模向けのHP ConvergedSystem 700 for Virtualizationが6132万円から。

 併せて、HPはITインフラを対象にした従量課金サービス「HPフレキシブルキャパシティ」において仮想マシン単位の課金を追加した。既に、物理的なサーバーや物理的なストレージについては利用量に応じて月額で課金できるが、それに、仮想的なCPUコア数とメモリーの容量を基に定義したCompute Unitを追加した。例えば1仮想コアと1GB RAMが1Compute Unitである。ただし、HP ConvergedSystem 200-HCは現時点では未対応で、将来対応する予定。