写真●e-shelterのフランクフルトのデータセンター設備
写真●e-shelterのフランクフルトのデータセンター設備
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2015年3月3日、ドイツ最大のデータセンター事業者で本社をルクセンブルグに置くLux e-shelter 1(略称はe-shelter、イーシェルター)の株式の86.7%を取得することについて株主と基本合意に達し、2015年3月2日(現地時間)に株式取得に関する契約を締結したと発表した。株式は2015年第2四半期(2015年6月末まで)に取得する。

 今回の株式取得によって、NTTコムグループの欧州におけるデータセンターのサーバールーム面積は、英国を中心とした現在の4都市約1万9500平方メートル(平米)から、欧州大陸を含めた9都市約9万2000平米へと大幅に拡大。NTTコムは、欧州で第3位の規模のデータセンター提供能力を持つことになるという。

 e-shelterは、ドイツを中心に欧州大陸にサーバールーム面積合計約7万2500平米のデータセンターを保有する。拠点は、ドイツ(フランクフルト、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルク)、スイス(チューリッヒ)、オーストリア(ウィーン)の6カ所(写真)。

 今回NTTコムがe-shelterの株式を取得した背景には、欧州におけるデータセンターの需要が堅調という状況がある。米Gartnerの予測では、西欧のコロケーション市場は、2014年に38.9億ドル、2017年には49.6億ドルと、年率約9%の伸びで成長する。

 NTTコムはこれまで、グループ会社である英国のGyron Internet(ジャイロン・インターネット)を通じて、英国内を中心にデータセンターの展開を進めてきた(関連記事:NTTコム、英国のデータセンター会社を50億円強で買収)。この一方、欧州大陸では、需要に対応できる十分な規模のデータセンター設備を持っていなかった。e-shelterの株式取得によって、欧州大陸のデータセンター需要に応える。