米Hewlett-Packard(HP)は現地時間2015年3月2日、無線通信機器メーカーの米Aruba Networksを約27億ドルで買収することで両社が最終合意に達したと発表した。モバイル移行を進める企業ネットワークのニーズに対応したソリューション強化を図る。

 HPはArubaの株式1株につき24.67ドルを支払う。負債も含めた場合の取引総額は30億ドルになる。米New York Timesの報道によると、24.67ドルという金額は、買収の噂が報じられる前の日(2月24日)の株価と比べ34%高い。

 買収手続きは、HPの2015会計年度下半期(2015年5~10月)に完了する見込み。HPは同買収によって、2016会計年度通年の収益が増加すると予測している。

 Arubaは2002年2月に設立され、カリフォルニア州サニーベールに本社を構えている。従業員は約1800人。2014会計年度通年(2013年8月~2014年7月)の売上高は7億2900万ドルで、HPによれば過去5年間で平均30%の成長を遂げているという。

 HPのMeg Whitman会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は「Arubaの無線モバイルソリューションとHPのスイッチング製品を統合することにより、極めて簡潔で安全性の高いネットワークソリューションを提供し、企業の次世代モバイルネットワーク導入を支援できる」と述べた。

 買収後、ArubaはHPのEnterprise Group事業の傘下となり、引き続きAruba現CEOのDominic Orr氏と創業者兼最高技術責任者(CTO)のKeerti Melkote氏が率いる。

 HPが2月に発表した2015会計年度第1四半期(2014年11月~2015年1月)の決算では、Enterprise Group事業の売上高は69億8100万ドルで前年同期からほぼ横ばい。そのうちネットワーク関連は同11%減少した(関連記事:HP決算、売上高が予測に届かず、ドル高が業績見通しに影響)。

 なおHPは、2015会計年度末までに会社分割する計画を、昨年10月に正式発表している(関連記事:HPの会社分割、企業向けはHewlett-Packard EnterpriseでPC/プリンターはHP Inc.)。

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