写真●上部左側が赤外線LED、右側が赤外線カメラ
写真●上部左側が赤外線LED、右側が赤外線カメラ
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は2015年3月2日、虹彩認証の機能を搭載したスマートフォンの試作機を開発したと発表した(写真)。スリープ状態から復帰する際など、画面を見つめるだけでロック解除ができる。2015年度中の製品化を目指す。

 赤外線LEDと赤外線カメラで、瞳孔の外側に位置する虹彩のシワが作り出すパターンを読み取る。小型化のために、専用の高出力赤外線LEDと赤外線カメラを開発した。試作機では、既存のスマートフォンに専用カバーをかぶせる形で赤外線LED/カメラを取り付けているが、製品化の際にはスマートフォン内部に実装できるという。米デルタIDの虹彩認識エンジン「ActiveIRIS」を採用し、目とスマートフォンを極端に近づけなくても検知できるようにした。

 スリープ状態からの復帰、ネットショッピングやアプリ/コンテンツを購入する際の認証、サーバーやクラウドサービスを利用する際の認証などの利用を想定する。

 利用する前には、ユーザーの虹彩パターンを登録するためのアクティベーション作業が必要となる。実際に試作機を使ってスリープ状態からの復帰を試してみたところ、スマートフォンの画面を見つめるだけで瞬時にロックを解除できることを確認できた。

 スペインで開催しているモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2015」でも同社ブースで展示する。