写真1●日立研究所 CTO 兼 研究開発グループ長の小島啓二執行役常務
写真1●日立研究所 CTO 兼 研究開発グループ長の小島啓二執行役常務
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 日立製作所は、2015年4月1日付けで国内外の研究開発拠点を3つの組織へと再編する。研究者が顧客企業の課題に触れる機会を増やし、課題の解決を通じたイノベーションを促進する。加えて基礎研究の予算を2倍に増やし、成果が出始めている新分野に投資する。

 「これまでの日立のR&Dは、博士課程を出た研究者に投資して『知識』や『技術』を蓄積するものだった。今後はその優秀な人材を、知識の蓄積を超えて『事業収益』を作るところにまで投入する」。日立製作所 CTO 兼 研究開発グループ長の小島啓二執行役常務は、今回の組織再編の狙いをこう語る(写真1)。技術を生むR&Dから、顧客のニーズを解決して収益化するR&Dへの転換である(写真2)。

写真2●技術を生み出すだけではイノベーションにはつながらない
写真2●技術を生み出すだけではイノベーションにはつながらない
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 具体的には、国内の3研究所(中央研究所、日立研究所、横浜研究所)とデザイン本部、海外研究拠点を、地域横断型の3つの組織へ組み替える。国内外約500人からなる「社会イノベーション協創統括本部」、約2000人の「テクノロジーイノベーション統括本部」、約100人の「基礎研究センタ」である(写真3)。

写真3●R&D組織再編の概要
写真3●R&D組織再編の概要
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