図●「IIJ Smart Mobile Managerサービス/MaaS360」の機能概要
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写真●IIJ Americaの松本光吉社長兼CEO
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 インターネットイニシアティブ(IIJ)と米国子会社のIIJ Americaは2015年2月25日、従業員のiOSやAndroid端末、スマホアプリを管理するMDM(モバイルデバイス管理)/MAM(モバイルアプリケーション管理)のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を始めると発表した。2015年4月1日に日本と米国でトライアルサービスの提供を開始する。

 今回新たに提供するのは「IIJ Smart Mobile Managerサービス/MaaS360(マース360)」だ。米IBMのモバイル管理クラウド/ソフト「IBM MaaS360」をベースにした。IIJが手掛ける既存MDMサービスである「IIJ Smart Mobile Managerサービス」の高付加価値版という位置付けで売り込む。

 マース360は、業務用途で利用するアプリをコンテナアプリとして、個人が私用で使うアプリなどと分離できる点が特徴だ()。コンテナアプリから、SSL-VPNで企業のイントラネットにアクセスすることが可能だ。一方、コンテナアプリで管理するデータを個人のアプリ領域にコピーできないようにする。従業員のプライバシーを守りつつ、セキュリティを確保できる。

 IBMがラスベガスで開催中の「IBM InterConnect2015」に合わせ、米国で取材に応じたIIJ America 社長兼CEO(最高経営責任者)の松本光吉氏は、「一つの端末内でビジネス領域と個人領域とを分離できるMDM/MAMでなければ、BYOD(Bring Your Own Device)を提案するのは難しい。日本市場でMDM/MAMの販売を拡大させるのに、既存のIIJ Smart Mobile Managerサービスが機能不足であることは否めない」と語る(写真)。マース360を投入し、新規顧客の獲得につなげたい考えだ。

 米国では、日系企業の現地法人を中心に販売していく。「日系企業の現地雇用の従業員は、私用の携帯を業務利用する場合が多い。マース360のようなサービスを提案するベンダーは少ないので、チャンスがあるはずだ」(松本社長兼CEO)。既に複数社から引き合いがあるという。

 国内での販売価格は月額1万円(税抜き、管理対象30デバイス分を含む)から。米国での価格は未定だが、日本に準じる価格を想定しているという。