米IBMは現地時間の2015年2月22日から26日にかけて、クラウドとモバイルをテーマにした同社最大のイベント「IBM InterConnect2015」を米国ラスベガスで開催している(写真1)。同イベントは、昨年まで同社が実施していた「Pulse」「Impact」「Innovate」の三つのイベントを統合したもの。参加者は約2万人に上ったという。
米IBMはイベント中の24日に記者会見を開き、モバイル端末用アプリケーションの開発、運用プラットフォームである「IBM MobileFirst」の機能改善を発表した。米IBMのフィル・バカルー バイスプレジデントは、「モバイルアプリは一度開発すれば終わりではない。継続的な開発を支援するプラットフォームが必要だ」と話す(写真2)。
今回の機能強化ポイントは3点だ。
一つめは、トラブル分析機能の強化である。モバイルアプリを稼働させた際に生じたトラブルの原因究明をしやすくする。例えば、アプリの動作遅延に関するボトルネックを発見したり、特定の端末上で不具合が発生した際に、その原因を突き止めたりできるようになる。
二つめは、プラットフォームの柔軟性向上だ。同じモバイルアプリを稼働させている端末間でのデータ同期を可能にしたほか、リリースしたモバイルアプリの利用状況に合わせてオンデマンド型でプラットフォームをスケールアップできるようにした。
三つめは、iBeaconやWi-Fiの情報を基に、屋内にいるユーザーの位置情報を把握できる機能だ。例えば、機密情報にアクセスする際、屋内の特定の位置でしか起動できないモバイルアプリを開発し、セキュリティを担保するといった取り組みが可能になる。