GemaltoのWebサイト
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 SIMカードベンダー大手のオランダGemaltoは、米英当局が同社への不正侵入を試みたとする報道を受け、全力で調査にあたるとの声明を現地時間2015年2月20日に発表した。Gemaltoは携帯電話ユーザーの通信を保護するために、SIMカードを世界中のキャリアに供給している。

 Gemaltoの声明は、米ニュースサイト「Intercept」による2月19日付の報道に対してのもの。Interceptは、米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)が2010年と2011年に、同社のコンピュータネットワークに侵入してSIMカードの暗号化キーを盗み出したと報じた。

 Interceptは、米政府の大規模情報収集活動を告発した元米中央情報局(CIA)職員のEdward Snowden容疑者から入手した資料に基づいた情報だとしており、これら米英機関の目的は、入手した暗号化キーにより世界中の携帯電話通信を監視および盗聴することだったと伝えている。

 Gemaltoはこの報道に対する声明で、「調査は初期段階であり、報道内容の裏付けはできていない。これらの情報機関がこうした活動をしていたことについて認識していなかった」とし、「当社はこの報道をたいへん深刻に受け止め、必要なリソースをすべて投じ、高度な手法を徹底的に調査して、その範囲の把握に取り組む」と述べた。同社は年間約20億台分のSIMカードを出荷している。

 米メディアの報道(Wall Street JournalNew York Times)によると、Gemaltoは米AT&T、米Verizon Wireless、米Sprintをはじめとする450以上のキャリアにSIMカードを提供しており、NTTドコモも顧客に含まれる。ドイツDeutsche Telekomは、報じられたセキュリティ侵害について把握していることをすべて報告するようGemaltoに要求し、フランスBouygues TelecomもGemaltoに問い合わせたという。

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