日経BP社は2015年3月2日、「第10回クラウドランキング」を発表した。ITベンダーが提供するビジネス向けクラウドサービスの提供内容や実績などを基に「ベストサービス」を、ビジネスパーソンに対するクラウド関連企業各社のイメージを基に「ベストブランド」をそれぞれ選出している。第10回では39の「ベストサービス」、および15の「ベストブランド」を選出した。

 今回の調査は、2014年12月から2015年1月にかけて実施した。優れたクラウド関連サービスを選出する「ベストサービス」では、日本マイクロソフト、ネットラーニング、日立製作所、wiwiw、テラスカイ、新日鉄住金ソリューションズ、富士通といったITベンダーのクラウド関連サービスが名を連ねた。優れたクラウド関連事業者を選出する「ベストブランド」では、グーグルやセールスフォース・ドットコム、日本IBMなどのITベンダーを選出した。

ベストサービスでは7部門39サービスを選出

 ベストサービスは、クラウドコンピューティング関連サービスを提供するITベンダーに対するアンケート調査によって、各社のサービス内容や実績などを調べ、独自の基準で総合スコアを算出して選出している。有効回答の中から、総合スコア62.5以上をベストサービスとした。

 今回は、(1)クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)、(2)汎用業務系SaaS、(3)汎用情報系SaaS、(4)特定業種業務向けSaaS、(5)パブリッククラウド導入支援サービス、(6)プライベートクラウド構築支援サービス、(7)データセンター、――の7部門で合計39サービスを選出した(表1)。

 ベストサービスを選出するためのサービス内容などに関する調査は、2015年1月末時点で国内提供可能なクラウド関連サービスを対象にした。100点満点の総合得点を算出してから、総合得点を平均が50、標準偏差が10になるように標準化して総合スコアを算出している。

ベストブランドでは15社を選出、ヤフーが初選出

 ベストブランドは、クラウドサービスや仮想化製品といったクラウド関連事業を手掛けるITベンダーの企業イメージに関するアンケート調査をビジネスパーソンに実施して決定した。ヤフーが初選出となったほか、前回調査に続いて、グーグル、セールスフォース・ドットコム、日本IBM、日本マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどが選ばれた(表2)。

 2014年12月15日から2015年1月19日に、日経BPコンサルティングのインターネット調査システム「AIDA」を通じて回答を収集した。有効回答は5747件だった。学生などを除いた有職者からの回答のみを有効としている。

 調査では、クラウド関連事業を手掛けるITベンダー200社について、認知度(クラウド関連の製品/サービスを提供していることや、提供する製品/サービスの内容をどの程度知っているか)などを尋ねている。調査した200社のうち、その企業の存在自体を「非認知(知らない)」と答えた回答者の割合が66.7%未満だった143社を集計対象とした。

 第10回クラウドランキングの詳細は、日経コンピュータ2015年3月5日号などに掲載する。

 なお、クラウドランキングは2010年9月発表の第1回、2011年3月発表の第2回、2011年9月発表の第3回、2012年2月発表の第4回、2012年10月発表の第5回、2013年2月発表の第6回、2013年10月発表の第7回、2014年2月発表の第8回、2014年10月発表の第9回に続き、今回が10回め。