データセンター事業者のKVHは2015年2月20日、商用環境下で400Gビット/秒の長距離光伝送の実証実験に日本で初めて成功したと発表した。この実験は、同社とネットワーク機器ベンダーの米シエナが共同で実施したもの。KVHが東京-大阪間に敷設した全長660kmの光ファイバーを使い、2波長で400Gビット/秒のデータ伝送に成功したという()。

図●400Gbps光伝送の実証実験
図●400Gbps光伝送の実証実験
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 今回の実証実験では、KVHの東京と大阪のデータセンターを結ぶ商用サービス用光ファイバーを使った。異なる波長の光で信号を多重化するWDM技術を利用して、100Gビット/秒の商用信号と同時に今回の400Gビット/秒の実験信号を1本の光ファイバーで伝送した。伝送装置には、既に商用サービスで運用しているシエナの「6500 Packet-Optical Platform」をそのまま使った。「400Gの商用展開の時期は検討中だが、今回の実験によって、すぐにでもサービス開始が可能であると実証できた」(同社 テクノロジー本部 本部長、執行役員の濱田義之氏)という。

 400Gビット/秒の伝送速度は、「デジタルコヒーレント」と呼ぶ高速化技術で実現した。具体的には、1つの信号に4ビット(16値)を載せる「16QAM」や、1つの波長の搬送波を2つのサブキャリアとして扱う「デュアルキャリアー」など、シエナが開発した技術によって400Gビット/秒を実現したという。

■変更履歴
記事公開時、「1波長で400Gビット/秒」としていましたが、正しくは「2波長で400Gビット/秒」です。お詫びして訂正いたします。本文は修正済みです。[2015/02/20 14:50]