写真1●データビークルの経営陣。左から西内啓氏、油野達也氏、山本一郎氏
写真1●データビークルの経営陣。左から西内啓氏、油野達也氏、山本一郎氏
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写真2●従来の企業におけるデータ分析の課題
写真2●従来の企業におけるデータ分析の課題
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写真3●新製品「データダイバー」の画面例。解析結果を自然言語で分かりやすく表示
写真3●新製品「データダイバー」の画面例。解析結果を自然言語で分かりやすく表示
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 統計家の西内啓氏らが設立したデータサイエンス専門会社のデータビークル(東京・中央、関連記事:統計家の西内氏らがデータサイエンス専門会社を設立)は2015年2月13日、データ分析ツール「データダイバー(DataDiver)」を発表した。4月に提供を始める。

 同日に本格的な営業活動を開始した。価格は1ユーザー当たり月額60万円から(2人までの研修費用込み)。売上高500億円規模以上の企業を主な対象とし、初年度に40件の販売を目標とする。

 取締役製品責任者の西内氏(写真1左)は、「これまで企業からデータ分析に関する依頼を受けることが多かったが、『分析担当者が現場のことを知らない』という壁によくぶち当たった」と述べた(写真2)。

 これを踏まえてデータダイバーは、日本の製造業の「QC七つ道具」のように、現場担当者が自ら分析して改善に取り組めるように設計したという。分析画面からは極力専門用語を排して、「(傾向が)とてもクリア」「曖昧」のように自然言語で表示するのが特徴だ(写真3)。

 現場の分析ツールとしてよく使われている表計算ソフトExcelとの比較については、「Excelはデータの加工に関する機能が弱く、データの形式をそろえるまでに手間がかかる。Excelでも簡単な回帰分析ならできるが、ビジネスの分野で来店要因の分析などによく使われる『ロジスティック回帰』を標準でサポートしていない。データダイバーはこうした点を補える」(西内氏)と話す。

 代表取締役経営責任者兼営業責任者の油野達也氏(写真1中央)は、新製品の営業戦略を説明。SCSKとウイングアーク1st(東京・渋谷)、パソナテック(東京・千代田)の3社とパートナー契約を締結することを明らかにした。

 「当社が提供するツールだけではデータサイエンスにまつわる問題を解決できない。インフラ構築についてはSCSKと、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールについてはウイングアーク1stと、人材育成についてはパソナテックと協業することで、顧客企業を支援できる体制を整える」(油野氏)。今後、パートナー制度をさらに整備し、他のパートナー企業も募る予定である。

 取締役財務責任者の山本一郎氏(写真1右、関連記事:ビッグデータ炎上企業の共通点、西内啓とやまもといちろうが斬る)は当面の財務戦略について説明。「新会社の株主は油野氏と私。向こう5年程度はIPO(株式公開)やベンチャーキャピタルからの資金調達はせず、プライベートな企業としてノウハウの蓄積に専念したい」と述べた。