画面1●Enterprise Architectの画面
画面1●Enterprise Architectの画面
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 スパークスシステムズジャパンは2015年2月12日、UMLモデリングソフト「Enterprise Architect」(画面1)の新版(バージョン12.0)を発売した。新版では、表現力/操作性や機能を高めた。GUI画面を「ワイヤーフレーム」で作図できるようにしたほか、設計した内容からXMLスキーマやJSONスキーマなどを効率良く生成できる機能を追加した。価格(税別)は、ダウンロード版が1万6500円から。開発会社は、オーストラリアのSparx Systems(スパークス・システムズ)。

 Enterprise Architectは、UML/BPMNなどのモデリング言語を使って情報システムを設計するソフトである(関連記事:スパークスシステムズのUMLモデリング新版、GMLなどを利用可能に)。モデル図からのソースコードの生成と、ソースコードからのモデル図のリバース生成ができる。利用できる言語は、C/C++、Java、C#、Visual Basic、VB.NET、Delphi、PHP、Python、ActionScriptの10種類。さらに、データベース構造言語(DDL)やXMLスキーマ、WSDLなどもモデリング/生成できる。

 新版では、表現力の向上、操作性の改善、機能の強化を図った。

画面設計用のワイヤーフレームを追加

画面2●ワイヤーフレームを用いた画面設計
画面2●ワイヤーフレームを用いた画面設計
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 表現力の向上では、iOS/AndroidアプリケーションやWebブラウザーの画面をワイヤーフレームで作図できるようにした(画面2)。設計した画面の内容を他の設計要素と関連付けて変更の影響範囲を追跡できるようにしたり、ドキュメント生成機能などの既存の機能と組み合わせて利用することができる。操作性の改善では、画面全体のデザインを一新したほか、要素のプロパティ画面の構成を見直し、より効率的にプロパティを参照/設定できるようにした。

 機能の強化では、設計した内容からXMLスキーマやJSONスキーマなどを効率良く生成できる「スキーマコンポーザー」の機能を追加した。XMLエディターも強化し、XMLの階層構造を可視化できるようにした。データベース設計向けでは、設計した内容から自動生成できるDDLをDBMS(データベース管理システム)に対して直接実行したり、設計内容とDBMSの差分を比較したりマージ(統合)したりできるようにした。

用途に応じて全6エディションを用意

 Enterprise Architectは機能に応じて3種類のエディションで構成する。「デスクトップ版」は最下位エディションで、ソースコード生成機能がない。「プロフェッショナル版」は中位エディションで、UMLからソースコードを生成できる。「コーポレート版」は上位エディションで、UMLモデルをDBMS上に配置して共有できる。

 さらに上位に位置するスイート製品「Enterprise Architect Suite」も用意している。「ビジネスモデリング版」は業務アプリケーション開発向けに、BPMNからBPELへの変換や、内部処理を含むソースコード出力などができる。「システムエンジニアリング版」は、SysMLでSystemCやVHDLなどを生成できるなど、ハードウエア系システムの設計に向く。「アルティメット版」は、ビジネスモデリング版とシステムエンジニアリング版を兼ねる。