米Microsoftがデジタルペンおよびタッチスクリーン技術のイスラエルN-trigを2億ドル以上で買収すると、複数の海外メディア(英Reuters米VentureBeatCNETなど)が報じた。イスラエルの経済紙「Calcalist」が現地時間2015年2月12日にWebサイトに掲載した記事に基づいたもので、2社からの正式な確認は得られていない。

 Calcalistの情報によると、N-trigの従業員約190人のほとんどは、Microsoftのイスラエル事業に移籍する。Microsoftはイスラエルに新たな研究開発センターを設置する計画という。

 N-trigは1999年に設立され、イスラエルのクファールサバに本拠を置くほか、北米、日本、台湾、中国に拠点を持っている。

 2013年の売上高は3670万ドルで、前年比38%増加した。2014年上半期は売上高が2060万ドル、純損失が510万ドル。デジタルペンの販売数は130万本と、2013年上半期の3倍以上に伸びたという。

 Microsoftは2009年に他のベンチャーキャピタルとともに合計2400万ドルをN-trigに出資し、その際6.2%の株式を取得した。2014年にはタブレット端末「Surface Pro 3」にN-trigのデジタルペンを採用することで提携を結んでいる。

 Microsoftの2015会計年度第2四半期(2014年10~12月)における「Surface」シリーズの売り上げは、好調なSurface Pro 3がけん引役となり、前年同期比24%増の11億400万ドルに達した(関連記事)。

 N-trigの顧客にはMicrosoftのほか、ソニー、富士通、米Hewlett-Packard、中国Lenovo(聯想集団)などが含まれる。