かもめエンジニアリングは2015年2月12日、認証データベースの一つであるLDAPサーバーへのアクセスを高速化するソフトを2015年4月に販売すると発表した(図1)。秒間10万件を超える規模のLDAP応答ができるようになるという。同社の分散KVS(キーバリューストア)データベースである「KFEP(ケイフェップ)」を既存のLDAPサーバーの前段に配置して、LDAPデータをキャッシュさせる仕組み。

図1●分散KVSでLDAPアクセスを高速化する概要図(出典:かもめエンジニアリング)
図1●分散KVSでLDAPアクセスを高速化する概要図(出典:かもめエンジニアリング)
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 同社は今回、LDAPアクセスを高速化するためのソフトとして、LDAPのキャッシュサーバーソフトを製品化した。キャッシュデータの格納には、既存の分散KVSエンジンであるKFEPを利用する(関連記事:かもめエンジニアリング、数千万ユーザー規模の認証/SSOを可能に)。分散KVSにLDAPのインタフェースを付加するアダプターソフト(サーバープロセス)を新規に開発し、分散KVSと組み合わせてパッケージ化した形である。

 キャッシュデータの格納に分散KVSを使うことにより、サーバー台数を増やすスケールアウトによって、10万人を超える大規模なLDAPデータを高速に参照できるようになるという。同社が実施したLDAP応答のベンチマーク試験(CPUにCore i3を搭載した低スペックな汎用PCサーバーを使用)では、サーバー1台構成で1秒当たり2万4635件のLDAPクエリーに、サーバー10台では1秒間に9万6042件のLDAPクエリーに応答できた(図2)。

図2●低スペックサーバー10台で秒間10万件のLDAP処理が可能に(出典:かもめエンジニアリング)
図2●低スペックサーバー10台で秒間10万件のLDAP処理が可能に(出典:かもめエンジニアリング)
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 LDAPアダプター以外にも、KFEPと組み合わせて使えるプロトコルアダプターとして、RADIUSアダプターやDiameterアダプターなど各種のアダプターを用意している。