米ホワイトハウスは、ハイテク企業や金融関連企業のリーダー、政府当局者などを招集し、サイバーセキュリティに関する会議を現地時間2015年2月13日に開催する。米メディアの報道(Wall Street JournalThe Hillなど)によると、同会議では米AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)がスピーチを行う。

 米スタンフォード大学で開かれる同会議は、将来的サイバー攻撃の対策において企業と政府間の情報共有を呼びかけるのがねらい。Barack Obama米大統領のほか、米国土安全保障省(DHS)、米シークレットサービス(USSS)、米連邦捜査局(FBI)の高官らも出席する。

 政府は同会議で、消費者保護およびサイバーセキュリティ技術に加え、プライバシーを中心テーマに据える。7時間におよぶ会議の様子はホワイトハウスのWebサイトでライブストリーミングされる予定。

 Appleのほかに、技術関連企業では米Google、米Intel、米Facebookなどから、金融関連では米Bank of America、米U.S. Bancorp、米American Express、米Kaiser Permanente、米Visa、米MasterCard、米PayPalなどから重役らが参加し、パネルセッションを行う。

 一方、ソニーの米国子会社Sony Pictures Entertainment(関連記事)や米Anthem(関連記事)をはじめ、大規模なデータ侵害を受けた大手企業は、同会議の出席リストには含まれていない。また、政府の大規模情報収集問題に関係のある米国家安全保障局(NSA)と米中央情報局(CIA)もリストから外れている。

 AppleのCook CEOは、主にモバイル決済に焦点を当てたスピーチをすると見られる。同社は昨年10月に独自のモバイル決済サービス「Apple Pay」を米国で開始している。なおAppleは、プライバシー保護を巡って政府当局と対立している側面もある。FBIのJames Comey長官は昨年10月に米シンクタンクで行った講演で、AppleやGoogleがそれぞれモバイルOSで取り組んでいるユーザーデータの暗号化について、「技術企業の非協力的な姿勢が捜査を阻んでいる」との懸念を強調した(関連記事)。