写真●Googleが2014年春に公開した自動運転車両
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 米Googleが独自のタクシー配車サービスを計画していると、米Bloombergが現地時間2015年2月3日に報じた。タクシー配車アプリケーションの米Uberと対立することになりそうだ。

 Googleの投資事業Google Venturesは、2013年8月に2億5800万ドルをUberに出資し、その後の投資ラウンドでも追加出資している。2013年以降、Uberの取締役会にはGoogleのDavid Drummond最高法務責任者兼コーポレート開発部門担当上級バイスプレジデントが参加している。

 BloombergがUber取締役会に近い関係筋から得た情報によると、Drummond氏は、Uberの取締役会で新たな配車サービスの可能性について通知した。同氏は取締役らに、現在Google従業員が使用している配車アプリケーションのスクリーンショットを見せたという。

 Googleの配車サービスは、同社が以前から取り組んでいる自動運転車両の開発(関連記事:Google、自動運転車両のパートナー探しで交渉中)と連携して準備が進められる可能性が高いと、Bloombergは指摘している(写真)。

 Uber取締役会は現在、Drummond氏に取締役辞任を要請するかどうか検討している。

 Uberは資金面以外でもGoogleに大きく依存しており、例えばUberアプリケーションは「Google Maps」をベースにしている。創業から5年のUberは急速な成長を見せ、昨年は24億ドル以上を調達し、企業価値は少なくとも412億ドルと見積もられている。しかし世界各地でサービス禁止を言い渡されているほか、同様の配車サービスやタクシー業界との競争など、さまざまな課題に直面している(米CNETの情報)。

 Googleは先月、パーソナルアシスタント「Google Now」の拡張を発表したが、参加するサードパーティー製アプリケーションには、Uberの競合サービスである「Lyft」が含まれている(関連記事:「Google Now」、40種類の他社製アプリの情報を追加)。

 なお、Uberは2月2日、米カーネギーメロン大学と提携し、ペンシルバニア州ピッツバーグに建設する研究施設「Uber Advanced Technologies Center」で自動運転車両技術などの開発に共同で取り組むことを発表している(Uberの公式ブログ)。