写真1●OpenStack Foundation COOのMark Collier氏
写真1●OpenStack Foundation COOのMark Collier氏
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 「OpenStackがビジネス価値を生み出す変革のエンジンとなる」──。オープンソースのクラウド基盤構築ソフトウエア「OpenStack」をテーマにしたイベント「OpenStack Days Tokyo 2015」が、東京・高輪で2015年2月3日と4日の2日間にわたって開催されている。初日の基調講演には、OpenStackプロジェクト共同創始者の1人でOpenStack FoundationのCOO(最高執行責任者)のMark Collier氏が登壇(写真)。OpenStackの現状や課題、今後注力する取り組みなどを語った。

 講演の冒頭でCollier氏は、「現在あらゆる企業が競争にさらされており、競合に勝つためにはソフトウエアを使って迅速にビジネス価値を生み出していくことが求められている」と説明。「OpenStackがそのための変革のエンジンとなる」と宣言した。

 Collier氏は、多様な企業がOpenStackを、世界中のあらゆる場所でパブリッククラウドやプライベートクラウドの基盤として使っているとした。OpenStackによるパブリッククラウドサービスは、1年前に比べて2倍に増えているという。

 OpenStackの利用が順調に拡大している一方で、今後の課題を、OpenStack上でもっとたくさんのアプリケーションが開発されるようになることだと説明した。「ユーザーからは、相互運用性と安定性の向上を求められている。2015年はこの要望に対応することに注力していく」(Collier氏)という。具体的には、多数ある開発プロジェクトのうち、コンピュートエンジンの「Nova」をはじめとしたコアコンポーネントに力を入れていくこと、OpenStackベースのサードパーティー製品のテストを進めて互換性を確保していくことなどを挙げた。

 最後にCollier氏は、今年10月26日~30日に開催予定の「OpenStack Summit Tokyo」について言及。OpenStack SummitはOpenStack Foundationが世界各地で半年に一度開催するグローバルイベントで、初めて東京で開催される。Collier氏は「Summitには世界中から一線の技術者やユーザーが集まる。ここにいる皆さんは全員参加して、最新の情報を手に入れてほしい」と呼びかけて講演を締めくくった。