つくる社は2015年2月3日、プログラミング学習ができるiPhone/iPod touch向けアプリ「Scratch2Romo」を発表した。教育用ロボット「Romo」を、教育用のプログラミング環境「Scratch」を用いて動かせる(写真1)。米アップルの「App Store」で2015年2月下旬から配信予定で、価格は1500円。無料の試用版も用意する。
Romoは、iPhone/iPod touchと組み合わせて動作させるロボット(写真2)。米ロモティブが開発し、国内では2014年7月からセールス・オンデマンドが販売している。一方のScratchは、米マサチューセッツ工科大学メディアラボが2007年に開発したビジュアルプログラミング環境(写真3)。「ブロック」と呼ばれるアイコンを組み合わせて手軽にプログラムが作れるのが特徴である(関連記事:プログラミングは一方的に教えてはいけない、子供たちは自分で面白さを見つけ出す)。
Scratch2Romoは、この二つをつなぐアプリ。Romoが公開するソフトウエアの開発環境(SDK)と、Scratchが備える外部機器/センサーとの通信機能を使って開発した。Scratch2RomoをインストールしたiPhone/iPod touchをRomoにセットすれば、パソコンなどで開発したScratchのプログラムから無線LAN経由でRomoを制御できる。
発表会では、つくる社 代表社員の石原淳也氏が様々なデモを披露(写真4)。Romoを前後左右に動かすだけでなく、大きな音が鳴ったときに回転させる、iPhoneを傾けておじぎのような動作をさせつつ音声を出力するなどができることをアピールした(写真5)。
Scratchの日本語化などを担当する、青山学院大学/津田塾大学 非常勤講師の阿部和広氏は、Scratch2Romoは「社会性を持ったロボットを子どもたち自身が作れる可能性を示唆している」と話す(写真6)。ロボットという存在を自ら作ることで、より正しい理解ができるようになるだろうと期待を示した。