中国Alibaba Group(阿里巴巴)は現地時間2015年2月1日、10億香港ドルを投じて、香港の青年起業家を支援することを目的とした基金「Alibaba Hong Kong Young Entrepreneurs Foundation」を立ち上げたと発表した。

 Alibabaの公式英語ブログ「Alizila」によると、同基金は香港の若者が事業を開始・運営し、「Taobao(淘宝)」や「Tmall(天猫)」などAlibabaのエコシステムを通じて中国本土に製品やサービスを販売するのを支援する。

 香港の若者が立ち上げたビジネスに出資し、スタートアップ段階のアドバイスやサポートも行う。これらベンチャー投資で得られた利益は新たな出資にあてる。ベンチャー投資は今年後半に開始する予定。

 また、毎年香港の大学生200人を選び、AlibabaやAlibaba傘下の事業でインターンシップの機会を提供する。

 Alibabaは台湾にも同様の基金を設立する計画との情報もある。同社のJack Ma(馬雲)最高経営責任者(CEO)は昨年12月15日に台湾で開催されたビジネスフォーラムで、「中国本土への製品販売を考えている台湾の起業家を支援したい」と述べていたという(米Wall Street Journalの報道)。

 なお、TaobaoやTmallを含むAlibabaのEC事業を巡っては、中国国家工商行政管理総局(SAIC)が1月28日に公開した白書で、「Alibabaが長期にわたって模造品販売などの違法行為を放置し、十分な管理を怠った」と非難していた。しかし1月30日にSAIC局長とAlibabaのCEOが会合し、「模造品撲滅と消費者保護に向けて協力することで合意した」と発表。白書は1月29日にWebサイトから取り下げられており、SAICは30日の声明で「先の文書は正式な白書ではない」と述べた(関連記事:中国当局とAlibabaが一転仲直り、「模造品撲滅で協力」と声明)。