「統計学が最強の学問である」(ダイヤモンド社)の著者で統計家の西内啓氏らが、データサイエンスの専門会社を設立した。社名は「データビークル」で、2015年2月1日から営業・受注活動を開始する。開発中のデータサイエンス専用ソフトを軸に、ビッグデータ活用のコンサルティングや人材育成サービスなどを手がける。代表取締役CEO(最高経営責任者)は前インフォテリア常務の油野達也氏。西内氏は取締役を務める。

 データビークルの事業の柱となるのは、西内氏らが持つデータサイエンスやデータマネジメントのノウハウを集約したソフト群だ。「これまで一部のデータサイエンティストしか持っていなかったノウハウを、誰もが使える機能としてツールに組み込む。高度な専門知識がなくても、ビッグデータを活用できる世界を実現したい」(油野CEO)。

 第一弾としてデータビークルが提供するソフトが、データサイエンス支援ソフト「DataDiver」だ。2015年3月の提供開始を予定している。ユーザーがコントロールしたい結果「アウトカム」(顧客数や客単価など)と、それに影響を与えるデータ「説明変数」(価格や天候など)との関係性をシミュレーションするソフトである。説明変数に“あたり”をつけることで、データの分析・解析作業を効率化する。

 「何の手がかりもない状態で、広大な海の中に沈んでいる宝箱を探すことは難しい。このソフトは宝の地図の生成ツールのようなもの。どの海のどの辺に潜るべきか、つまり、どのデータ群のどの項目から分析すべきかが分かる」と、油野CEOは説明する。同社はソフト販売と併せて、データサイエンティストの育成サービスも開始する。

 このほかデータビークルでは、社内外のデータを統合・管理するデータマネジメントソフトや、データの生成・加工プロセスを制御するデータマネジメントソフトなどを開発・提供していく計画だ。

 

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