中国Alibaba Group(阿里巴巴)が現地時間2015年1月29日に発表した2014年第4四半期の決算は、大幅な増収となったものの成長鈍化が投資家らを落胆させた。

 売上高は261億7900万人民元(42億1900万ドル)で前年同期と比べ40%増加した。純利益は59億8300万人民元(9億6400万ドル)で同28%減少。希薄化後の1株当たり利益(EPS)は2.29人民元(0.37ドル)で同35%落ち込んだ。

 減益の主な理由として同社は、株式報酬関連費用や無形固定資産償却費の大幅な増加を挙げている。これら特別費用を除いた純利益は前年同期比25%増の131億1500万人民元(21億1400万ドル)、EPSは同13%増の5.05人民元(0.81ドル)となる。

 中国における小売り販売サイトの総取引額(GMV)は7870億4700万人民元で前年同期比49%増加。内訳は、「Taobao Marketplace(淘宝網)」が同43%増の約4940億人民元、「Tmall(天猫)」が同60%増の約2930億人民元だった。

 モバイル経由の取引額は3268億8900万人民元に達し、前年同期と比べ213%増加した。GMVに占める割合は42%となり、1年前の20%、および前四半期の36%から拡大した。

 2014年12月末時点の年間アクティブバイヤーは3億3400万人で1年前と比べ45%増加。月間モバイルアクティブユーザー数は2億6500万人にのぼり、同95%急増した。

 英Reutersがまとめたアナリストの予測平均は特別費用を除いたEPSが0.75ドル、売上高が44億5000万ドルだった。当期における売上高の成長率は、少なくとも2013年以降最も低い水準だという。

 決算発表を受けて、同社の株価は同日の取引で一時10%以上下落。最終的に8.78%安の89.81ドルで引けた。

 なお、AlibabaのEC事業を巡っては、中国国家工商行政管理総局(SAIC)が1月28日に公開した白書で、「長期にわたって(模造品販売などの)違法行為を放置し、十分な管理を怠った」と報告している。SAICはこの問題について、Alibabaが米国で新規株式公開(IPO)を実施するより前の昨年7月にAlibaba幹部と協議していたという(米New York Timesの報道)。

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■変更履歴
公開当初、最終段落で「1月29日に公開した白書」とあったのは、正しくは「1月28日に公開した白書」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2015/2/2 11:30]