NTTドコモは2015年1月29日、NTT東日本およびNTT西日本(NTT東西)のサービス卸を用いた光回線サービス「ドコモ光」を3月1日に始めると発表した。料金プランはプロバイダー料金を外出しした「単独型」と、内包した「一体型」の2種類を用意(図1)。一体型の料金は、戸建て向けが月額5200円から、集合住宅向けが月額4000円からとした(ともに2年契約時)。2月16日に事前受け付けを開始する。

図1●「ドコモ光」の料金
図1●「ドコモ光」の料金
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 NTTドコモの加藤薫社長は、ドコモ光の特徴として、(1)おトク、(2)簡単、(3)便利の3つのキーワードを挙げた。まず(1)は、携帯電話の新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の「パケットパック」とドコモ光を組み合わせ、「ドコモ光パック」と呼ぶセットメニューを用意。パケットパックの契約容量が大きくなるほど値引き額が高くなる仕組みを取り入れ、「光シェアパック30」(モバイル通信量が月30Gバイト)の場合で3200円引きとした(図2)。KDDIの「auスマートバリュー」と違い、割引額が途中で減少しない点を売りにする。

図2●「ドコモ光パック」の料金例
図2●「ドコモ光パック」の料金例
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 カケホーダイ&パケあえるで提供している「U25応援割」(25歳以下の場合は月500円引き+月1Gバイトのボーナスパケット)と、「ずっとドコモ割」(代表回線の契約期間の長さに応じて最大2000円引き)も同時に適用できる。

図3●「光スマホ割」の概要
図3●「光スマホ割」の概要
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 さらに、携帯電話を新規契約またはMNP(モバイル番号ポータビリティー)で同社に乗り換え、「光シェアパック」を契約した場合は基本料を最大12カ月間割り引く「光スマホ割」を始める。割引額はカケホーダイプランが月1350円、データプランが月350円で、子回線で光シェアパックに契約したユーザーも対象とする(図3)。受付期間は来年3月31日まで。

図4●「ドコモ光期間限定割引」の概要
図4●「ドコモ光期間限定割引」の概要
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 このほか、らくらくスマートフォン向けの「光らくらくパック」、個人向けの「光データSパック」(モバイル通信量が月2Gバイト)、本来はセット割の対象外となる旧料金プランのユーザーに対し、ドコモ光の料金を最長12カ月間にわたって月500円割り引く「ドコモ光期間限定割引」も提供する(図4)。受付期間は8月31日まで。

 (2)の簡単と(3)の便利は、携帯電話や光回線、プロバイダー部分の申し込みから問い合わせ、保守・故障対応までをワンストップで提供することを意味する。フレッツ光の既存ユーザーであれば、フレッツ光の解約金を支払うことなく、ドコモ光に転用できるという。契約事務手数料は新規、転用ともに3000円。パソコンや周辺機器、ソフトの操作や設定などを、電話とパソコンの遠隔操作で支援する「光リモートサポート」(月500円)、専門スタッフが顧客宅に訪問して支援する「光訪問サポート」(月3000円から)も用意した。

 ただ、全体的に料金プランが分かりにくくなった。カケホーダイ&パケあえるですら複雑で難しいとの声が多かったにもかかわらず、ドコモ光という新たな検討要素が増えた。まずは店舗でどれだけ分かりやすく説明、誘導できるかが拡販の鍵となりそうだ。料金プランは一体型が販促の中心になるとみられるが、光回線単独では他社に比べて必ずしも安くない。携帯電話とのセット割も基本的にはカケホーダイ&パケあえるの契約が前提となっており、家族の囲い込みが前提。先行する「auスマートバリュー」への対抗という観点では、パンチ不足の印象も受ける。