写真●NEC取締役兼執行役員の川島勇CFO
写真●NEC取締役兼執行役員の川島勇CFO
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 NECは2015年1月29日、2014年4~12月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.9%減の2兆20億円で、営業利益は同119億円改善し356億円と減収増益となった。NECビッグローブやNECモバイリングの非連結化により減収となったものの、公共や官公庁向けの「パブリック」事業がけん引して増益となった。

 セグメント別に見ると、「パブリック」事業の売上高は堅調に推移し前年同期比12.5%増の5259億円、営業利益は同56億円改善し377億円と増収増益。同社取締役兼執行役員の川島勇CFOは「消防・防災や交通基盤など社会インフラ向けの売り上げが10%ほど向上したことが大きい」と話す(写真)。

 「エンタープライズ」「システムプラットフォーム」「その他」事業の3セグメントは減収増益となった。「エンタープライズ」事業の売上高は前年同期比1.5%減の1879億円で、営業利益は同23億円改善し28億円。「現在受注している案件が順調に進めば、今後は緩やかに増加・改善する見通し」(川島CFO)。

 ビジネスPCの売り上げが伸び悩んだ「システムプラットフォーム」事業の売上高は前年同期比3.8%減の5159億円、営業利益は同33億円改善の131億円。「Windows XPの更新需要の反動が大きい」(川島CFO)。携帯電話端末事業やエネルギー事業を含む「その他」事業は前年同期比29.6%減の2691億円、営業利益は同51億円改善し59億円の赤字となった。

 「テレコムキャリア」事業は減収減益となった。売上高は前年同期比0.7%減の5033億円とほぼ横ばいで、海外事業は増加したが国内事業が減少した。営業利益は同64億円悪化し254億円。SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)関連の投資が増加した。

 2015年3月期通期の連結業績予想は売上高が3兆円(前期比1.4%減)、営業利益は1200億円(同13.0%増)で据え置いた。