米Facebook傘下の米Oculus VRが、映画における仮想現実(VR)の普及促進を目指し映画制作部門「Story Studio」を立ち上げたと、複数の米メディア(The VergeWall Street JournalForbesなど)が現地時間2015年1月26日に報じた。

 Oculusは、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)を手がける新興企業で、Facebookが2014年に約20億ドルで買収した。VRゲーム用HMD「Oculus Rift」の市販モデルの開発に取り組んでおり、その最新プロトタイプ「Crescent Bay」を昨年9月に発表している(関連記事:Facebook傘下のOculus、市販向けHMDの新たなプロトタイプを発表)。

 OculusのBrendan Iribe最高経営責任者(CEO)によると、Crescent Bayをハリウッド映画関係者に見せたところ、たいへん興味を持ったが、どのように映画に利用すればよいか同社にも分からなかったことから、Story Studioの設置を考えたという。

 Story Studioは、映画におけるVRヘッドセットの活用方法を探り、VR映画の可能性を実証することを目的とする。米Pixar Animation Studiosや米Lucasfilmの元従業員など約10人で構成される。

 初の作品「Lost」は、米ユタ州で開催されているサンダンス映画祭で上映される見込み。同作品の監督は、2013年のPixar短編映画「The Blue Umbrella」を作ったSaschka Unseld氏が務めている。約5分の作品だが、視聴者の動きに応じて反応するため、「2分半にもなれば、10分にもなる」(Unseld氏)としている。

 英Financial Timesによると、今年のサンダンス映画祭では、革新的な作品を上映する「New Frontier」部門の14本中、11本がVRヘッドセットを用いる作品だという。