写真●契約書に署名したNTT持ち株会社の鵜浦博夫社長(左)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長(右)
写真●契約書に署名したNTT持ち株会社の鵜浦博夫社長(左)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長(右)
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 NTTグループは2015年1月26日、2020年に開催される「東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会」のゴールドパートナー第1号に決定したと発表した。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、大会組織委員会)との間で、日本代表選手団に関する6年間のパートナー契約を結んだ。

 これにより、NTTグループは「東京2020ゴールドパートナー」などの呼称やマーク類、関連素材の使用権などのほか、東京オリンピック・パラリンピックの大会運営に関わる通信インフラの構築やサービス提供を優先的に担うことになる。「大会テーマの一つでもある『おもてなし』の実現へ、映像や翻訳などの領域で他社とコラボし、『日本のオリンピックは素晴らしかった』と実感してもらえるようなサービスを実現したい」(NTT持ち株会社の鵜浦博夫社長)。

 NTTグループでは2014年まで、NTTドコモが「移動体通信サービス/無線通信サービス」のカテゴリーで日本オリンピック委員会(JOC)とゴールドパートナー契約を結び、2010年のバンクーバー五輪、2012年のロンドン五輪、2014年のソチ五輪でJOCの活動を支援していた。

 今回の大会組織委員会との契約では、移動体、無線、固定を含む「通信サービス」のカテゴリーで、NTTグループがゴールドスポンサーとなった。スポンサー契約に含まれるのはNTT持ち株会社、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモの5社である。

 NTTは今回の契約を通じ、大会運営に関わる通信サービス、例えばスタジアムの通信ネットワーク構築や公衆無線LANの提供、ネットワークセキュリティについて、優先的に受注できる。ただし、サムスン電子やパナソニックなど、国際オリンピック委員会(IOC)のTOPスポンサーが手がけるサービスについては、TOPスポンサーとの協業を通じてサービスを提供することになる。

総力を挙げてサイバーテロ対策へ

 鵜浦社長が会見で特に意欲を見せていたのが、東京オリンピック・パラリンピックのサイバーセキュリティだ。「大会運営そのものに関するサイバーセキュリティは、NTTグループが責任を持つことになる」(鵜浦社長)として、今後はNTTグループでできること、他社との協業が必要なことを仕分けた上で、速やかに協業の体制を作るとしている。

 大会組織委員会の森喜朗会長も、「これまでロンドンやソチなど複数の大会運営委員会と話をしたが、最大の問題はセキュリティ、サイバーテロ対策だった」と語り、NTTグループを軸とした協業体制の構築に期待を示した。