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 米Appleが発売を予定している腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」について、そのバッテリー性能に関する情報が明らかになってきたと複数の米メディア(MacRumorsThe Vergeなど)が2015年1月22日、米9to5Macの記事を引用して伝えた。Appleは当初設定したバッテリー性能の目標値を達成できない可能性があるという。

 9to5Macが事情に詳しい関係者の話として伝えたところによると、Appleは昨年の段階で、アプリケーションがアクティブモードで利用されるときの連続駆動時間が2.5~4時間、アクティブ/パッシブモードの組み合わせで同19時間、Apple Watchがスタンバイモード/スリープモードのときは3~4日という目標を立てていた。だが関係筋によると初期モデルでは、アクティブ/パッシブの組み合わせで19時間を達成できず、スタンバイ/スリープモードの際の持ち時間は2~3日になるという。

 このほかAppleは、Apple Watchに標準搭載されるアプリケーションとサードパーティーのアプリケーションを使い、バッテリーのストレステストを行っている。このテストにおけるAppleの目標値は、ゲームなどの演算処理の多いアプリケーションの場合で2.5時間、標準的なアプリケーションでは3.5時間、フィットネス関連のアプリケーションでは4時間。また時計画面のみを表示し、ほかの処理を行わない場合の連続駆動時間は約3時間という。

 これらの数値を見るとApple Watchは1日に数回充電する必要があるように思える。だが、一般的なユーザーはApple Watchでゲームなどのアプリケーションを数時間も利用せず、時計画面も3時間連続して見ない。Apple Watchは、パッシブモードやスタンバイ/スリープ状態であることが大半であり、通常は1日1回の充電ですむと、9to5Macなどは報じている。

 Apple Watchのバッテリー性能についてAppleは詳細を明らかにしていないが、海外メディアによると、同社は毎晩充電するよう推奨している。また同社は現在、充電器の改良を行っているとも伝えられている。これまで開発したApple Watchの充電器は充電時間が予想以上に長くかかるため、これをより短くすべく改良を施しているという(関連記事:「Apple Watch」の発売日は3月末か、米メディアが報道)。

 なお、Apple WatchにはiPhone 4Sのプロセッサ「A5」の性能に近い「S1」が搭載され、60fpsの動画表示が可能なRetinaクラスのディスプレイを備える。これらが高消費電力の要因になっていると、9to5Macは伝えている。