衛星放送協会は2015年1月21日の年頭記者会見で、インターネット上で違法アップロードされている会員各社の動画コンテンツの取り締まりと削除を目的とした2カ月間のトライアルを1月15日に開始したと報告した。

 今回のトライアルでは、イー・ガーディアンとアルビクスのサービスを利用し、インターネットの監視と削除要請を実施する。事前に登録した番組のインターネット上の監視から削除要請までの作業はイー・ガーディアンに委託する。一連の作業の実施に当たり、アルビクスのASPサービスである「とりし丸」を利用する。トライアルには、衛星放送の24社26チャンネルが参加する。

 2013年夏に衛放協が正会員社に対して調査を行ったところ、3分の1の会員社が恒常的に違法アップロードの被害にあっているという結果が出た。各社で違法アップロードの取り締まりと削除要請を行っていくには限界があり、業界全体としては十分な対策に至っていないのが現状という。

 衛放協は著作権委員会を中心に委員会横断で侵害対策連絡会を組織して、インターネット上の著作権侵害に対して有効な対策を検討する中で、トライアル実施を決定した。トライアルは、スカパーJSATと日本ケーブルテレビ連盟の協力の下で行う。衛放協は、今回のトライアル結果の情報共有を会員全社で行い、今後の侵害対策について更なる検討を開始する方針である。