日本SGIは2015年1月21日、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)に向けたx86ベースのSMP(対称型マルチプロセッシング)サーバー機「SGI UVシリーズ」のラインアップを拡充し、ミッドレンジ規模に位置する二つの新モデル、「SGI UV 300」を出荷した。最大構成となるサーバー8台時に、32ソケット(480コア)、メモリー24Tバイトのシングルイメージで利用できる。OSは、Red Hat Enterprise LinuxまたはSUSE Linux Enterprise Serverが稼働する。

 SGI UV 300は、ミッドレンジクラスのSMPサーバー機である。サーバー単体(高さは5U)では、Xeon CPUを4ソケット(60コア)、メモリーを3Tバイトまで搭載する。さらに、独自のインターコネクト(サーバー間接続)機構である「SGI NUMAlink」を使って、8台までのサーバー機をメッシュ型で接続する。これにより、シングルイメージとして、32ソケット(480コア)、メモリー24Tバイトまで拡張できる。並列処理アプリケーション向けには、MPIの通信処理を高速化するMPIオフロードエンジンも搭載する。

 SGI UV 300の出荷と同時に、インターコネクト接続機構を省いた廉価版「SGI UV 30EX」も出荷した。同モデルは、5Uのサーバーきょう体1台(4ソケット、メモリー3Tバイト)で運用する形で、複数サーバーでメモリー空間を共有する使い方はできない。後からCPU性能やメモリー容量をスケールアップしたい場合は、SGI UV 30EXをSGI UV 300にアップグレードできる。

 価格(税別)は、SGI UV 300が3252万8000円。この時の構成は、CPUがXeon E7-8857 v2×8ソケット、メモリーが1Tバイト、SGI製のラック、OSがSUSE Linux Enterprise Server。SGI UV 30EXは、1473万2000円。この時の構成は、CPUがXeon E7-8857 v2×4ソケット、メモリーが256Gバイト、OSがSUSE Linux Enterprise Server。

 SGI UVシリーズには、今回のSGI UV 300/30EXのほかに、ハイエンドモデルの「SGI UV 2000」と、エントリーモデルの「SGI UV 20」がある。SGI UV 2000は、256ソケット(2048コア)、メモリー64Tバイトまでシングルイメージで利用できる。一方のSGI UV 20は、4ソケット(32コア)、メモリー1.5Tバイトのサーバーである。