日立ソリューションズは2015年1月21日、指静脈認証ユニット「静紋J300」およびSSO(シングルサインオン)ソフト「SRGateクライアントエージェント」(SRGateCA)の動作保証プラットフォームを拡大し、新たに米VMwareのVDI(デスクトップ仮想化)ソフト「VMware Horizon(with View)」上での動作保証を開始する。これにより、MacやOSを搭載していないゼロクライアントなど、Windows以外のシンクライアント端末に指静脈認証ユニットをつないで運用できるようになる。

図●セキュア端末 認証強化ソリューションの概要(出典:日立ソリューションズ)
図●セキュア端末 認証強化ソリューションの概要(出典:日立ソリューションズ)
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 同社は今回、USB接続型の本人認証デバイス(静紋J300)と、クライアントPC上で動作するSSO認証ソフト(SRGateCA)について、VMwareのVDI環境(VMware Horizon)でも利用できることを検証した。これを受けて1月21日から、同環境での動作保証を開始する。さらに、動作保証の開始に合わせて、これら三つの要素を組み合わせたシンクライアント環境の認証システムのことを「セキュア端末 認証強化ソリューション」()と呼び、ユーザーへの提案を開始する。

 従来、静紋J300とSRGateCAの動作を保証するプラットフォームは、WindowsクライアントPCや、Windowsベースのシンクライアント端末(画面情報端末プロトコルとしてRDPやICAを使用)に限られていた。Windowsベースのシンクライアント端末に静紋J300をつないで運用するには、専用のデバイスドライバーソフトをWindows(シンクライアント端末)にインストールして使う仕組みになっていた。

 今回の検証では、VMware Horizonが標準で利用する画面情報端末プロトコルであるPCoIP(PC over IP)の環境下においては、シンクライアント端末側にデバイスドライバー(Windows用)をインストールすることなく静紋J300を認証に利用できることを確かめた。つまり、Windowsベースのシンクライアント端末だけでなく、PCoIPクライアントソフトをインストールしたMacや、PCoIP機能をハードウエアで実装したゼロクライアント端末といった、Windows非搭載のシンクライアント端末に静紋J300をつないで利用できることを確かめた。

 静紋J300とともにVMware Horizon環境での動作保証を開始したもう一つの製品であるSRGateCAとは、WindowsクライアントPC上で動作するエージェント型のSSOソフトである。アプリケーションのログイン画面に対してユーザーIDやパスワードなどの認証情報の入力を代行する。初回認証時に限って、認証サーバーに問い合わせて各アプリケーションの認証情報を取得する。その後は、クライアントPC側に一時保存した認証情報を利用して各アプリケーションへのログインを代行する仕組み。

 静紋J300、SRGateCA、VMware Horizonそれぞれの価格(税別)は、以下の通り。静紋J300は、1台当たり2万8000円。静紋J300を使った認証機能を提供するソフト「AUthentiGate J300クライアントライセンス」は1台当たり2万円。SRGateCAは、100ユーザーで70万円。