米Googleがモバイル決済の米Softcardを買収する方向で交渉中だと米TechCrunchが現地時間2015年1月16日に報じた。Googleは米Apple対抗を強める意向だと、TechCrunchをはじめ複数の海外メディアは指摘している。

 GoogleはSoftcard買収に1億ドル未満を提示しているという。Softcardは米AT&T、米Verizon Wireless、独Deutsche Telekomの米国法人T-Mobileが2010年に共同で立ち上げた。合計出資額は数億ドルとされている。

 GoogleがSoftcardに関心を抱いていることは以前から噂されており、米eBay傘下のPayPalや米MicrosoftもSoftcardに接近しているとの情報もある。

 Softcardは「コスト削減と事業強化に向けて対策を講じている」(同社広報担当者の声明)段階で、先ごろ約60人を解雇した。

 米Wall Street Journalが得た情報によると、Softcardは残りの従業員にも仕事を辞めるよう告げ、自身の売却先を探している。

 Googleは、早期からオンライン決済サービス「Google Wallet」を提供してきたが利用者を広げることができずにいる。通信大手3社がGoogle Walletに対抗して共同設立したSoftcardもユーザーの確保に失敗した。

 一方、Appleのオンライン決済サービス「Apple Pay」は昨年10月の開始早々広がりを見せている。これを受け、GoogleとSoftcardらは交渉に入る必要性に迫られたと関係者は語っているという。

 Softcardの元の名称は「Isis Mobile Wallet」だったが、過激派組織「イスラム国」を示す略称「ISIS(Islamic State of Iraq and Syria)」と同じであるため、数カ月前に名称を変更した(英Financial Timesの報道)。