朝日新聞社は2015年1月16日、社内のPC17台がウイルスに感染し、社内外とやり取りした電子メールなどの情報が流出したと発表した。既に感染したPCからの新たな情報流出を防ぐ措置を講じたと共に、警視庁に届け出たとしている。

 発表によると、同社がウイルス感染に気付いたのは1月9日の夜。社内のPCが外部のサーバーと不審な通信をしていることが発覚したという。外部サーバー(一般にC&Cサーバーと呼ばれる。C&Cは「コマンド・アンド・コントロール」の略)から指示を受けてPCから情報を盗み出すなどの活動を行う、いわゆる「バックドア型不正プログラム」に感染したとみられる。

 情報の流出は2014年11月下旬ごろに始まったとしており、1カ月以上にわたって社外に情報が流出し続けていたことになる。流出が確認された情報の種類は電子メールやPCで作成した文書などの一部であるとしており、「新聞読者や朝日新聞デジタルの顧客に関する情報の流出は確認されていない」(朝日新聞社)としている。ただし、「引き続き確認を進める」とも付け加えている。

 現在は情報セキュリティ会社と連携して情報流出経路の特定や感染経路について調査を急いでいる状況だといい、結果については後日公表するとしている。