損害保険ジャパン日本興亜とインターネットイニシアティブ(IIJ)は2015年1月16日、クラウド型の保険代理店システムの提供を始めたと発表した。自社でシステムを構築し、運用・保守する「オンプレミス型」と比較し、今後5年間で関連コストを半減できる見込み。損保ジャパン日本興亜の代理店を含めて、3年間で200代理店への導入を目指す。

 「SJNK-NET i+クラウド(アイタスクラウド)」という名称で、2015年1月5日から提供を開始した。両社によると、国内保険業界で初めてプライベートクラウド型を採用し、ユーザーごとに専用のアプリケーションやネットワーク機器・回線といったシステム環境を用意した。アイタスクラウドはIIJのクラウドサービスをシステム基盤に採用し、IIJのデータセンターで運用する。

 アイタスクラウドは複数の保険会社の契約や見込み顧客の情報を一元管理したり、全社横断で予算策定・成績管理をしたりする機能を備える。サイボウズのグループウエア「ガルーン」とデータをやり取りする連携機能も用意し、ガルーン上で保険商品の販売額や営業実績といったKPI(重要業績評価指標)を閲覧できるようにする予定だ。

 営業担当者が80人までの代理店がアイタスクラウドを導入したとすると、初期導入に35万円、月額利用料として14万円かかるケースが一般的だ。アイタスクラウドの販売・提供は損保ジャパン日本興亜のシステム子会社である損保ジャパン日本興亜システムズとIIJが共同で手掛ける。複数の保険会社の商品を扱う大型の代理店を中心に売り込む。